AMRのメリットとデメリット｜デメリットの対処法まで徹底解説

公開日：2023.09.05 更新日：2023.09.05

産業用ロボットAMRを導入する企業が増加しています。AMRを導入することで、工場での業務効率アップや人手不足の解消などが図れるとして、注目を集めているようです。この記事では、AMRと何なのか、AMRでできることや導入するメリット、デメリットなどについて解説します。デメリットの対処法も解説するため、参考にしてください。

AMRとは何か

AMRとは「Autonomous Mobile Robot」と略した言葉です。日本語では、自律走行搬送ロボットと呼ばれています。AMR単体で稼働するのではなく、人と協働するというコンセプトのもと設計されているロボットです。搬送業務というと自動搬送機であるAGVが一般的でしたが、AMRは次世代AGVとして高い注目を集めています。

AMRでできること

AMRは人と協働するロボットとして設計されているため、安全な環境で人と一緒に働くことが可能です。AMRにはセンサーやカメラなどが搭載されており、周辺情報を感知できます。そのため、人や障害物を自動で避けて工場内などを走行することが可能です。また、状況に応じて徐行や緊急停止ができるなど、安全性を確保しながら走行できます。

AMRを導入する5つのメリット

AMRを導入することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、AMR導入のメリットを5つ解説します。

省人化による人手不足の解消

まずは、人手不足の解消です。人に代わってAMRが作業をすることで、省人化が実現できます。人手が足りずに従業員の負担が重くなっていたという場合でも、AMRを導入することで少ない人材で業務を回せるようになり負担軽減が可能です。そのため、労働環境の改善や人件費の削減につながるといったメリットが得られます。

作業者の負担の軽減

AMR導入によって従業員の負担軽減につながります。ピッキング作業の半分以上は移動時間にあてられているといわれています。移動にかかる時間だけでなく、移動が多くなることで従業員の体力的負担も大きくなることが課題でした。しかし、AMRを導入すれば荷物の運搬などをAMRに任せることができ、従業員の負担軽減が期待できます。

作業効率の向上

従来は、ピッキングから梱包まで1人の従業員が行うことが一般的でした。しかし、AMRを導入して運搬を任せることで移動時間の削減ができ、作業フローを細分化することができます。たとえば、ピッキングや梱包、検品などの担当者を分けることで作業効率化につながり、生産性向上が見込めます。

作業ミスの減少

AMRを導入することで、作業ミスの減少も期待できます。AMRは作業の正確性に優れているという特徴があります。人による作業の場合ヒューマンエラーが起こる可能性がありますが、AMRによって人の作業が減ることで作業ミスの減少につながるでしょう。ミスが減ることで商品の品質が安定化し、顧客からの信頼向上につながるといったメリットもあります。

コストの削減

長期的に見るとAMRの導入によってコスト削減が期待できます。AMRを導入する際には、設備投資としてコストが必要になります。しかし、AMRを活用した作業が軌道に乗ればさまざまなコスト削減につながるでしょう。削減できるコストは以下のとおりです。

• 人件費
• 作業着などの諸経費
• 採用コスト
• 新人教育にかかるコスト

AMRを導入するデメリットと対処法

AMRを導入することで発生するデメリットもあります。ここでは、AMR導入によるデメリットと対処法を解説します。

AMRの通行スペースの確保が必要

AMRの走行方式はセンサーやカメラから周辺情報を得て判断し、自動走行するという仕組みです。通路にモノが多いと効率的な走行ができないため、AMRがスムーズに走行できるスペースの確保が必要です。整理整頓を心がけて走行スペースを確保し、通行スペースに対応できるAMRを購入しましょう。また、可能なら倉庫面積の拡張を検討するのもよい方法です。

導入・維持のためのコストが必要

AMRの導入には、本体の購入コストだけではなくシステム構築コストなどの運用費用、故障した際の修繕費などの維持費もかかるため、ある程度のランニングコストがかかります。AGVよりも購入コストは高めですが、維持費に関してはAMRのほうが安いです。導入する際には、導入コストが何年で回収できるのかを分析しておきましょう。

まとめ

AMRとは、自律搬送ロボットのことで安全な環境で人と一緒に働くことができます。AMR導入により人手不足解消や作業効率アップ、コスト削減などさまざまなメリットがありますが、デメリットもあります。デメリットとその対処法も把握し、費用対効果なども検討しながら導入するとよいでしょう。

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