AGVのメリットとは|基本情報や導入事例と合わせて解説
公開日:2023.09.05 更新日:2023.09.05
人手不足の課題を解決するため、無人で搬送に対応できるAGVを導入するケースが増えています。この記事では、AGVの基本情報に触れたうえで、具体的なメリット・デメリットや活用シーンなどを解説します。AGV導入して有効活用したいと考えている場合は、ぜひ参考にしてください。
AGVの基本情報
AGVとは、そもそもどのようなものなのでしょうか。ここでは、AGVの基本情報を解説します。
AGVは無人搬送車
AGVとは、工場や倉庫などでものを自動で運ぶ機械です。「AGV」は「Automated Guided Vehicle」の略であり、自動搬送車や搬送ロボットともよばれています。たとえば、部品や材料などを積み、あらかじめ決められた場所まで運びます。AGV は1980年代初頭から活用されており、さまざまな現場の生産性向上に貢献してきました。
AGVは、床に設置された磁気テープや電磁誘導ケーブルなどの誘導体を目印として走行する仕組みです。そのため、あらかじめ設定したルートを外れずに走行できます。
AGVとAMRの違い
「AMR」は「Autonomous Mobile Robot」の略であり、自律走行搬送ロボットのことです。AGVを走行させるためには誘導体が必要であるのに対し、AMRは自律走行ができます。
また、障害物があるとAGVは走行を停止します。一方、AMRは自動で障害物を回避し、走行可能なルートへ変更できます。
AGVの4つのメリット
AGVにはさまざまなメリットがあります。ここでは、メリットについて具体的に解説します。
1.業務の効率化ができる
AGVを導入するとそれまで人が対応していた業務を代替でき、効率化を実現できます。人が工場や倉庫の中を歩いてものを運搬していた場合、その作業をAGVに任せられます。
人が作業すると、本人のスキルや状態によって業務効率が下がるケースもあるでしょう。しかし、AGVに作業を任せれば、常に一定以上の業務効率を維持できます。
2.労働力不足を解消できる
人手が足りず労働力不足に悩んでいる企業は増えています。AGVを導入すれば省人化が可能になるため、少ない人員でも無理なく業務を進められるようになります。労働力不足を解消できるだけでなく、それまで運搬を担当していた人員を他の部署へ異動させて別の業務を任せることも可能です。
3.ヒューマンエラーを削減できる
人が作業する場合、細心の注意を払ってもミスは少なからず発生します。しかし、人が担当している作業をAGVに任せると、ヒューマンエラーは削減できます。たとえば、ピッキングにAGVを導入すればデータに基づいて正確に作業できるため、基本的に商品の取り違えは発生しません。商品を交換する手間もかからなくなります。
4.限られたスペースを効率よく活用できる
AGVは、スペースが限られていても導入可能です。ものを自動的に運ぶ設備としてはベルトコンベアもありますが、広いスペースが必要なうえに、工事が大掛かりです。一方、AGVは広いスペースがなくても活用でき、工事もそれほど大掛かりにはなりません。AGVは、限られたスペースを効率よく活用したい場合にも適しています。
AGVの3つのデメリット
AGVにはデメリットも存在します。具体的にどのようなデメリットがあるのか解説します。
1.コストがかかる
AGVを導入すると長期的にみればコスト削減につながりますが、導入時にはまとまった初期費用が必要です。具体的には、ロボットの購入費用、磁気テープや電磁誘導ケーブルといった誘導体の設置費用、システムの導入費用などがかかります。
2.レイアウトを変更しなければならない
AGVの導入時には、レイアウトの変更が必要になる可能性が高いです。AGVを導入するうえで広いスペースは必要ないものの、AGVが通過できるよう通路を整理しなければなりません。ルート上に障害物があるとAGVは停止するため、障害物を避けられるルートを用意する必要があります。AGVの走行方式には複数の種類があるため、慎重に検討しましょう。
3.安全対策を講じなければならない
AGVを導入するうえでは、安全対策も必要です。JIS規格「無人搬送車及び無人搬送車システム-安全要求事項及び検証」により、AGVは障害物接触検知装置や警報装置・接近検出装置などの安全装置の取りつけが必要とされています。
ただし、安全装置をつけても、すべてのトラブルを回避できるわけではありません。状況によっては、従業員がAGVと接触して怪我をしたり、荷物やAGVそのものが破損したりする恐れもあります。また、非常停止すれば搬送作業がストップし、全体の生産性の低下にもつながります。AGVを活用するうえでは、そのような問題が発生しないようにするための対策や配慮が必要です。
AGVのおもな活用シーン
AGVを活用できるシーンは幅広いです。特によく活用されているシーンとしては、物流センター、倉庫、店舗のバックヤードなどでの荷物の搬送、仕分け、ピッキングなどがあげられます。ほかにも、飲食店や病院などでAGVが導入しているところがあります。
まとめ
AGVは業務効率化や労働力不足解消のために活用でき、物流センターや倉庫といったさまざまな場所に導入されています。AGVの導入により、ヒューマンエラーの削減や限られたスペースの効率的な活用も実現可能です。初期費用としてかかるコストや必要な安全対策についても確認したうえで、AGVの導入を進めましょう。
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