【予知保全の基礎知識】設備トラブルを未然に防ぐ新たな取組み
2025年10月10日
製品・サービス紹介
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製造業に携わる皆様にとって、設備トラブルは生産性や品質に直結する大きな課題ではないでしょうか。
突然の故障は、生産ラインの停止や納期遅延につながり、大きな損失を招く可能性もあります。
こうした問題を解決する「予知保全」という考え方をご存知ですか。
今回は、これから予知保全の導入を検討されている方や、基礎知識を学びたいという方を対象に、そのメリットや具体的な手法について分かりやすく解説します。
関連記事:予知保全とは?導入の重要性や知っておくべきメリットと導入フロー
予知保全とは何か
予知保全とは、設備が故障する時期や状態を予測し、適切なタイミングでメンテナンスを行う手法です。
従来の保全手法である「事後保全」や「予防保全」とは異なるアプローチで、設備の安定稼働を目指します。
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事後保全:故障が起きてから修理する保全方式です。
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メリット:余計な保全費用がかからない
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デメリット:突発的な故障による生産停止、修理費用が発生する
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予防保全:あらかじめ定められた計画に基づき、定期的にメンテナンスを行う保全方式です。
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メリット:計画的なメンテナンスで生産計画を立てやすい
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デメリット:故障していない設備も保全するため、コストがかさむ場合がある
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予知保全は、これらの課題を解決する、言わば「良いとこどり」の保全手法です。
設備の「状態」を常に監視することで、故障の兆候を早期に捉え、生産への影響を最小限に抑えることが可能です。
予知保全のメリット
予知保全の導入は、さまざまなメリットをもたらします。
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生産性の向上
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突発的な設備停止が減るため、生産ラインの稼働率が向上します
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計画的な保全が可能となり、生産計画の精度が高まります
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コストの削減
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設備が故障する前にメンテナンスを行うため、大規模な修理費用を抑えることができます
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必要な部品だけを交換するため、無駄なコストを削減できます
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安全性の向上
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故障による事故のリスクが軽減され、作業員の安全が確保されます
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部品寿命の最大化
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摩耗や劣化の状況を正確に把握できるため、部品を寿命いっぱいまで使用できます
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予知保全の具体的な手法
予知保全を実現するためには、設備の「状態」をデータとして取得する必要があります。
代表的な手法をいくつかご紹介します。
1.振動監視
設備の回転部分(モータやポンプなど)は、劣化すると特定の周波数で振動が変化する傾向があります。
振動センサを用いて、この変化を捉えることで、故障を予知することが可能です。
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2.熱画像解析
設備は、稼働時に熱を帯びます。ベアリングの摩耗や電気系統の接触不良など、異常な個所は局所的に温度が上昇することがあります。
サーモグラフィカメラを用いることで、目視では分からない温度異常を検出し、故障の兆候を発見できます。
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3.電流・電圧監視
モータやコンプレッサなどの設備は、負荷や状態に応じて消費電流が変化します。
異常が発生すると、消費電流が変動するため、これを監視することで故障を予測できます。
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4.音響監視
設備の異常は、異音となって現れることがあります。
マイクや超音波センサなどを用いて、異音を継続的に監視・解析することで、故障の予兆を検知できます。
当社が提供するソリューション 弊社では、予知保全の導入をご検討中の皆様をサポートするため、さまざまな製品やソリューションをご提供します。 たとえば、設備の状態を常時監視できる「振動センサ」は、設備の異常検知に広く活用されています。
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まとめ
予知保全は、設備の安定稼働と生産性の向上を同時に実現する新しい保全手法です。
従来の保全方法に比べて、故障による突発的な生産停止を減らし、メンテナンスコストの削減にもつながります。
設備の老朽化が進む中、予知保全の重要性は今後さらに高まっていくでしょう。
今回ご紹介した内容が、皆様の事業における課題解決の一助となれば幸いです。
予知保全に関するご相談や製品に関するご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。