データセンターの設備構成とは?主要な5つの要素と選定ポイントを解説

データセンターの新設・増設や設備更新を機に、必要な設備構成について調べている設計・建設・ファシリティ担当者の方も多いのではないでしょうか。電源や空調、セキュリティといった専門設備は、自社の施設に何がどれだけ必要なのか判断に迷うことも少なくないでしょう。
本記事では、データセンターを支える建物・電源・空調・セキュリティ・通信という5つの主要な設備構成と、それぞれの役割をわかりやすく整理します。あわせて、液冷システムや省エネ化といった最新トレンド、Tier基準や冗長性、拡張性をふまえた選定ポイント、運用・保守体制の確認事項まで体系的に解説します。
この記事は、東証プライム市場上場企業として、三菱電機をはじめ400社以上の製品を取り扱い、「データセンターの設備」もご提供する株式会社カナデンの知見とノウハウを元に解説しています。
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- データセンターの設備構成とは?
- データセンターを支える5つの主要な設備構成
- データセンター設備における最新のトレンド
- データセンター設備におすすめの製品8選
- 三相無停電電源装置(UPS)『Galaxy VL』
- トップランナー変圧器(油入変圧器・モールド変圧器)
- サーバーラック・キャビネット
- バッテリレス漏水センサ
- 室外機集団設置用ショートサーキット防止システム『エアシェード』
- 二流体加湿器『TMfog』
- 指紋認証センサー搭載ICカード型セキュリティキー
- データセンターインフラ管理システム『garmit』
- 最適なデータセンター設備を選ぶための確認ポイント
- データセンター設備の運用・保守体制のポイント
- まとめ
データセンターの設備構成とは?
データセンターとは、サーバーやネットワーク機器を安全に稼働させるための専用施設です。企業の重要な情報資産を守り、24時間365日稼働を停止させないために、様々な設備が組み合わさって構成されています。ここでは、データセンターの基本的な役割と、一般的なオフィス内にあるサーバールームとの違いについて解説します。
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| 比較項目 | 自社サーバールーム | データセンター |
|---|---|---|
| 位置づけ | 一般オフィス仕様の建物内に、自社システムを収容・運用する空間 | 高負荷なIT機器の連続稼働と災害対策に特化した専用施設 |
| 空調設備 | 一般的なビル空調を使用することが多い | 機器の冷却に特化した大容量の専用空調または冷却設備 |
| 電源設備 | ビルの受電設備に依存し、拡張が難しい | 大容量の受電設備と非常用発電機を完備 |
| 床の耐荷重 | 一般的なオフィスの基準(約300kg/㎡程度) | 重いサーバーラックに耐える高い耐荷重 |
| セキュリティ | オフィスの入退室管理に依存 | 多層的で厳重な物理セキュリティを完備 |
データセンターの基本的な役割と重要性
データセンターの主な役割の一つは、IT機器を24時間365日、休むことなく安定して稼働させることです。企業のデジタル化が進む中、システムの停止は業務に深刻な影響を与えかねないため、データセンターには高い信頼性と安全性が求められます。停電や自然災害が発生した場合でもシステムを維持できる、強固なインフラが必要になります。サイバー攻撃や物理的な侵入からデータを守ることも、重要な役割の一つと言えるでしょう。
自社サーバールームとデータセンター設備の違い
オフィス内に設置された自社サーバールームと、専用に設計されたデータセンターとでは、設備の規模や品質に違いがあります。一般的なオフィスビルは人が働くことを前提に設計されているため、多くのIT機器を冷却する空調や、大規模な停電に耐えうる電源設備が十分でないケースも少なくありません。一方でデータセンターは、当初からIT機器を安定稼働させることを目的に設計されています。床の耐荷重や受電容量などが、オフィスビルとは大きく異なる傾向があります。
データセンターを支える5つの主要な設備構成
データセンターが高い信頼性を発揮するためには、複数の設備が連携して機能することが求められます。ここでは、データセンターの基盤となる5つの主要な設備構成について詳しく解説します。
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| 設備の種類 | 主な役割と特徴 | 具体的な設備例 |
|---|---|---|
| 建物・構造 | 自然災害からの保護と重い機器の支持 | 免震装置 高耐荷重フロア 超高耐久の耐火壁 |
| 電源設備 | 停電時でも無瞬断で電力を供給し続ける | UPS(無停電電源装置) 非常用発電機 |
| 空調・冷却 | 機器の発熱を効率的に除去し温度を保つ | データセンター専用空調機 液冷/水冷/外気冷房システム |
| セキュリティ | 物理的な侵入を防ぐ | 生体認証ゲート 監視カメラ |
| 防災 | 火災や漏水などの災害を初期に食い止める | ガス消火設備 漏水センサ |
| 通信ネットワーク | 外部ネットワークとの安定的かつ高速な接続 | 光ファイバー 冗長化された通信ルート |
建物の耐震性と免震構造
データセンターの建物は、地震などの自然災害から機器を守るために特別な構造で作る必要があります。建物の揺れを抑える設計は、IT機器の物理的な損傷を防ぐうえで重要な要素のひとつです。そのため通常、一般的な建築物よりも厳しい基準で設計され、震度の大きい地震が発生しても倒壊しにくい耐震構造が採用されます。建物と地面の間に特殊な装置を挟み、揺れを直接伝えない免震構造を取り入れている施設も少なくありません。サーバーラックの転倒や機器の故障リスクの低減につながります。
安定稼働を守る電源設備
IT機器は電力が供給されなければ稼働できないため、電源設備はデータセンターの生命線となります。万が一の停電時にも電力供給を途絶えさせない工夫が、随所に施されています。まず、電力が遮断された瞬間にバッテリーから電気を供給するのが、無停電電源装置(UPS)です。UPSが電力を供給している間に自家発電機が起動し、長期間の電力供給を引き継ぐ仕組みです。複数の電力会社から異なるルートで受電し、リスクを分散している施設も見られます。
効率的に熱を逃がす冷却設備
多くのサーバーが稼働すると発熱量も大きくなる傾向にあるため、熱を適切に処理する冷却設備が求められます。熱がこもると機器の故障や性能低下を引き起こしかねないため、効率的な冷却が必要です。冷たい空気と暖かい空気の通り道を分けるコールドアイルとホットアイルという配置手法が用いられることも多いです。冷却効率を高めつつ消費電力を抑えられる点が特長です。室内の温度と湿度を常に一定に保つための専用の空調機が稼働していることも多いでしょう。最近はサーバーなどのIT機器を、電気を通さない特殊な液体の中に直接浸す「液浸冷却」という手法が注目を集めています。
情報と物理環境を守るセキュリティ設備
データセンターには企業の機密情報が集約されているため、情報漏えいや不正アクセスを防ぐためのセキュリティ設備が充実しています。物理的な侵入を防ぐための対策が何重にも施されている点も特徴です。建物の入り口からサーバールームに至るまで、生体認証やICカードを用いた厳格な入退室管理が行われています。24時間体制での監視カメラによる録画や監視体制も重要な構成要素となります。
災害から守る防災設備
データセンターは、企業の経済活動を支える中枢であり、24時間365日の安定稼働が絶対条件です。万が一、火災や漏水が発生すれば、システム停止による経済的損失だけでなく、超高額なサーバー機器そのものを失うリスクもあるため、防災設備が欠かせません。
こうした事態を防ぐには、異常を極めて初期の段階で検知し、管理者に通知するシステムが重要です。また、水を使用できないサーバールームには、機器へのダメージを抑えつつ自動で消火できるガス消火設備などの導入が求められます。加えて、万が一の漏水をいち早く察知するセンサーを配置するなど、多角的な対策によって情報資産を物理的な被害から守ります。
冗長性を確保した通信およびネットワーク設備
データセンター内の機器が外部と通信するためには、信頼性の高いネットワーク設備が必要です。通信の途絶はサービスの停止に直結するため、重要な役割を担います。通信ケーブルの引き込みルートを複数に分け、一方のケーブルが切断されても通信を継続できる冗長構成が採用されることが多いです。高速で大容量のデータ通信に耐えられるよう、高性能な光ファイバーケーブルやネットワーク機器が整備されていることが多いです。
データセンター設備における最新のトレンド
IT技術の急速な進化に伴い、データセンターに求められる設備の要件も変化しています。ここでは、近年のデータセンター設備における最新のトレンドについて解説します。
※:2026年7月現在の情報です。
| トレンドの領域 | 課題と背景 | 導入されている最新設備・取り組み |
|---|---|---|
| 高発熱への対応 | AIサーバーの導入による発熱量の大幅な増加 | 空気より冷却効率の高い液冷・水冷システム |
| 省エネルギー化 | 大量電力消費による環境負荷低減の要求 | 外気を利用した空調システムや自然エネルギーの活用 |
| 電力の効率化 | カーボンニュートラルに向けた社会的要請 | PUE(電力使用効率)を最適化するための統合制御システム |
AI技術の普及に伴う液冷システムの導入
近年、AI(人工知能)の技術が急速に普及しており、AIの処理には非常に高い計算能力を持つサーバーが求められています。これらのサーバーは従来のものと比べて消費電力が大きく、発生する熱量も桁違いに多くなる爆熱化の傾向があります。膨大な熱を空気だけで冷却することには限界があるため、液浸システムやコールドプレート方式などの液冷(液体冷却)システムが注目されています。液冷システムは冷却効率が非常に高く、限られたスペースで多くの機器を稼働させる高密度な環境に適した設備です。
環境配慮と省エネルギー化の推進
データセンターは多くの電力を消費するため、環境への負荷を低減することが社会的な課題となっています。消費電力を削減し、より環境に優しい設備を導入する動きも活発です。再生可能エネルギーを積極的に活用したり、外の涼しい空気を取り入れて冷却に利用する外気空調システムを導入したりする事例も増えています。
電力の効率化に向けた統合制御システムの活用
脱炭素社会の実現に向けて、カーボンニュートラルへの対応はデータセンターにとっても重要な社会的要請です。限られた電力を無駄なく使う「電力の効率化」が、一層求められるようになっています。データセンター全体の電力使用状況を一元的に管理し、エネルギー効率を示す指標であるPUE(電力使用効率)を最適化する統合制御システムの導入も進んでいます。空調や電源設備などを統合的に制御することで、稼働状況に応じた最適な運用を実現し、電力の無駄を抑えやすくなる点が利点と言えるでしょう。日本では2029年度以降の新設データセンターに対してPUE1.3以下が義務付けられる方針が示されており、また「省エネ化」に加えてCO2を排出しない電力を使う「再エネ化」も、今後の重要な評価指標として位置付けられています。
※出典:資源エネルギー庁「データセンターの効率化に向けた制度面での対応(2025年6月)」https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/sangyo-rodo/2025-06-18-104111-490
データセンター設備におすすめの製品8選
データセンター建設の際には、電源・空調・セキュリティといった主要設備の信頼性と効率化が課題となります。ここでは、データセンターの構築・運用に役立つ製品を、設備領域ごとに紹介します。中には、実際のデータセンター案件でお問い合わせのあった意外な製品も紹介しています。
三相無停電電源装置(UPS)『Galaxy VL』

三相無停電電源装置(UPS)『Galaxy VL』は、データセンターの電源を瞬断なく供給する三相無停電電源装置(UPS)です。UPSは、停電や瞬時電圧低下が発生した際にバッテリーから即座に電力を供給し、サーバーや通信機器の停止を防ぐ役割を担います。データセンターでは自家発電機が起動するまでの橋渡し設備として欠かせない存在です。本製品は、電力変換効率を高める運転モードを備え、運用時の電力ロス削減に貢献します(最大99%の運転効率を削減)。モジュール構造を採用しており、容量に応じた柔軟な拡張が可能なため、サーバー増設に伴うインフラ強化にも対応しやすい点が特長です。
トップランナー変圧器(油入変圧器・モールド変圧器)
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変圧器(トランス)は、データセンターに供給される高圧電力を、IT機器が使用できる電圧に変換する電源設備です。データセンターのように大容量電力を扱う施設では、安定供給を支える基幹設備の一つとなります。サーバーの安定稼働と同時に施設全体の省エネ(PUEの低減)も常に求められるデータセンターにはダイヘンのトップランナー変圧器(油入変圧器・モールド変圧器)がおすすめです。本シリーズは、2026年度から適用されるさらに高い省エネ性能を求める省エネ法の「第三次判断基準」に適合しています。
サーバーラック・キャビネット

サーバーラック・キャビネットは、データセンター内でサーバーやネットワーク機器を整理・収納する基幹設備です。サーバーラックは、IT機器を効率的に積層配置し、配線や冷却を最適化する役割を担います。コールドアイル・ホットアイル方式の冷却運用や、ラック単位での電源・通信管理を実現するうえで重要な構成要素となります。カナデンが取り扱うサーバーラック・キャビネットは、耐荷重性や耐震性を備え、機器の重量や免震対策にも対応します。サイズや扉構造、ケーブルマネジメント機構のバリエーションが豊富で、設置環境や運用方針に応じた最適な構成を選びやすい点が特長です。
バッテリレス漏水センサ
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バッテリレス漏水センサは、電源が不要で取り付け簡単な水漏れを早期に検知する保全機器です。漏水センサーは、空調機の結露水や水冷配管の水漏れを検知し、重要機器への浸水リスクを低減します。液冷化が進むデータセンターにおいては、設置箇所が増えることで重要性が高まる傾向にあります。本製品はセンサリボンに織り込まれた金属電極が数滴程度の水に濡れることで発電し、漏水検知信号を無線発信します。広範な設置箇所への展開にも適しており、空調・水冷設備が増える環境での運用負荷軽減に貢献します。
室外機集団設置用ショートサーキット防止システム『エアシェード』
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室外機集団設置用ショートサーキット防止システム『エアシェード』は、空調室外機を集団設置する際に発生するショートサーキットを防ぐ省エネ補助システムです。ショートサーキットとは、室外機から排出された高温の排気が再度吸気側に回り込み、冷却効率が低下する現象です。データセンターのように多数の室外機が並ぶ環境では、空調エネルギー消費を増やす要因の一つとなります。本製品は、傾斜をつけたファンガードによって排気向きを上方に変更し、上空へ吹き上げることで、ショートサーキットの発生を抑制します。空調機の運転効率向上による省エネ効果が期待でき、PUE改善や電力コスト削減に課題を持つ施設に有効です。
二流体加湿器『TMfog』
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二流体加湿器『TMfog』は、非常に細かい「濡れない霧」を生成することで、周囲を濡らすことなく優れた到達性と拡散性を実現する省エネルギー型の二流体加湿器です。サーバールームの低湿度環境を補正し、静電気の発生や機器の不具合リスクを抑える役割を担います。加湿に伴う電力負荷を低く抑えられるため、省エネと安定運用を両立したい高密度データセンターでの加湿対策に適しています。
指紋認証センサー搭載ICカード型セキュリティキー
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指紋認証センサー搭載ICカード型セキュリティキーは、ICカードと指紋認証を組み合わせた多要素認証管理デバイスです。データセンターの入退室管理やサーバーへのアクセスでは、ICカード単体の運用に加え、生体認証など複数要素を組み合わせる多要素認証の導入が進んでいます。なりすましやカードの不正持ち出しによるリスクを下げるうえで、有効な手段の一つとなります。本製品はカード自体に指紋認証センサーを搭載しており、認証ステップを増やしながらも追加機器を最小限に抑えられる構成です。既存のシステムを大幅に変更することなく、セキュリティレベルを引き上げたい施設に適しています。
データセンターインフラ管理システム『garmit』
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データセンターインフラ管理システム『garmit』は、データセンターの電源・空調・ラック稼働状況を一元管理するインフラ管理(DCIM)システムです。DCIM(Data Center Infrastructure Management)は、施設内の各設備の稼働情報を統合的に可視化し、PUE改善や障害の早期検知に役立てる仕組みです。本システムは、温湿度・電力使用量・機器状態などをリアルタイムに収集し、運用効率化と省エネ施策の立案を支援します。2029年度以降のPUE1.3以下義務化を見据えた電力効率化や、運用負荷の軽減を進めたい施設に有効です。
ここまで電源・空調・セキュリティ・運用管理にわたる製品を紹介してきました。「機器メーカー各社への問い合わせや、比較検討が負担になっている」そんな時は、カナデンにお任せください。特定のメーカーに縛られず、お客様の求める機能や精度、現場環境やご予算に応じて最適な機器・システムを厳選してご提案いたします。導入候補が固まっている方も、これから検討を始める方も、お気軽にご相談ください。
※現状やお悩み、質問等ご自由にご記入ください。
最適なデータセンター設備を選ぶための確認ポイント
自社のデータセンターに採用する設備を決めるには、要件に照らしてスペックを正しく評価することが大切です。ここでは、設備を選定する際に確認したいポイントを解説します。
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| 確認ポイント | 評価の目的 | 具体的に確認すべき事項 |
|---|---|---|
| 冗長性のレベル・Tier基準 |
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| 電力容量の余裕・物理的な拡張性 |
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ポイント1:設備の冗長性とTier基準を確認する
データセンターの信頼性を測る上で、設備がどの程度冗長化されているかの確認が求められます。冗長化とは、一部の機器が故障しても予備の機器がすぐに引き継げるよう多重化しておくことです。信頼性を客観的に評価する指標として、Tier(ティア)基準があります。Tierは1から4までのレベルで分類され、数字が大きいほど設備の冗長性が高く、信頼性も高まる仕組みです。自社のシステムが許容できる停止時間に応じて、目標とするTierレベルを定め、それに見合う冗長性を設計・確保することをおすすめします。
ポイント2:拡張性を考慮し設備要件を評価する
設備を計画する際は、一度設置した機器を簡単に交換・移動させにくいため、現在の要件だけでなく、将来のビジネスの成長やシステムの変化に対応できるかどうかも考慮しておきましょう。例えば、将来的にAIサーバーのような電力を多く消費する機器を導入する可能性がある場合、1つのラックあたりに使用できる電力容量(ラックあたりのkW数)に余裕があるか、追加機器を設置するための物理的なラックスペースを確保できるかどうかも、長期的な運用を見据えた重要な確認項目です。
データセンター設備の運用・保守体制のポイント
データセンターの設備は、導入後も継続的に安定稼働させるための運用・保守体制が必要です。ここでは、設備選定と合わせて確認しておきたい運用・保守体制のポイントを解説します。
ポイント1:24時間365日の監視・保守体制を確保する
データセンターの設備は、深夜や休日を問わず常時稼働するため、トラブルが発生した際に迅速に対応できる体制が欠かせません。設備の稼働状況をリアルタイムで監視するシステムを導入し、異常を検知した際に即座に対処できる保守体制(自社の担当者や、保守を委託するパートナー)を整えておきましょう。電源設備や空調設備といった基幹設備に異常が生じた場合、初動対応の速さがシステムへの影響を最小限に抑える鍵となります。夜間・休日の対応時間や、障害発生時のエスカレーション手順についても、あらかじめ取り決めておくことが求められます。
ポイント2:定期点検・メンテナンスの体制を整える
UPSや非常用発電機、空調機器などの設備は、定期的な点検・整備を行うことで、有事の際に正常に機能します。導入する設備ごとに、点検の頻度や手順、部品交換の目安を把握し、保守計画に落とし込んでおきましょう。保守を外部に委託する場合は、点検履歴の記録・報告の仕組みや、復旧までの平均時間(MTTR)といった実績を確認できるパートナーを選ぶと安心です。設備スペックだけでなく、長期にわたり安定稼働を維持できる運用・保守の仕組みまで含めて計画することが大切です。
まとめ
この記事の要点をまとめます。
- データセンターは建物、電源、空調、セキュリティ、通信の5つの主要設備で構成されている
- 一般のオフィスビルとは異なり、IT機器の安定稼働に特化した大容量で高耐久な設備を備えている
- AIの普及による発熱増に対応するための液冷システムや、環境に配慮した省エネ空調が注目されている
- 障害に備えた冗長性(Tier基準)や、将来のシステム拡張に耐えうる電力・スペースの余裕を確認すること
自社のビジネスを支えるITインフラを強固にするために、これらの設備構成の知識をぜひデータセンターの設備選定・構築の参考にしてください。
データセンターの設備は、電源から空調・セキュリティまで複数の専門設備が絡む大きな投資判断となります。カナデンはお客様の「ベストパートナー」を目指してきたエレクトロニクスソリューションズ・カンパニーです。「まずはどのような製品があるのか知りたい」「ちょっと製品の説明を聞いてみたい」といった、データセンター設備に関する情報収集や検討初期段階のご相談もお気軽にご連絡ください。
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