太陽電池モジュールって何?製造現場や工場での活用を解説します
2025年11月28日
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太陽電池モジュールは『太陽光発電』の主役

工場の屋根や、建物の壁面、または大規模な太陽光発電所などで、黒いパネルが並んでいる光景を目にされたことはありますでしょうか。これこそが、今回ご紹介する『太陽電池モジュール』です。
『太陽電池モジュール』は、太陽の光エネルギーを直接、電気エネルギーに変換する半導体の装置で、いわば太陽光発電システムにおける「発電機」の役割を担うものです。
近年、企業におけるSDGsやカーボンニュートラルへの取り組みが加速するなかで、太陽光発電システムの導入は、再生可能エネルギーの活用や電気料金の削減を目的として、製造業や工事業の分野でも重要性が増しています。モジュールの仕組みを正しく理解することは、導入の検討や、システムの維持管理を考えるうえで非常に大切です。
ここでは、その基本的な構造と、なぜ製造現場や工場で注目されているのかについて、わかりやすく解説します。
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『太陽電池モジュール』の構造とその「発電の仕組み」
『太陽電池モジュール』と聞くと複雑に聞こえるかもしれませんが、その基本的な構造は、私たちの身近にある電子機器で使われている技術に基づいています。
『太陽電池モジュール』を構成する三つの主要素
『太陽電池モジュール』は、主に以下の三つの要素から構成されています。
・『太陽電池セル』
実際に光を受けて電気を発生させる最小単位。現在普及しているものの多くは、シリコン(ケイ素)などの半導体でできています。
・強化ガラスと封止材(ふうしざい)
『太陽電池セル』を風雨や衝撃から守る保護層。前面の強化ガラスは透過率が高く、発電効率を下げない工夫がされています。
セルを密閉する封止材(ふうしざい)は、湿気などによる故障を防ぐ耐久性に必要です。
・フレームと裏面材
モジュール全体の強度を保つアルミフレームと、電気回路を保護し、耐熱性や絶縁性を確保する裏面材(バックシート)。
光が電気に変わる「光起電力効果」(ひかりきでんりょくこうか)
『太陽電池セル』が電気を生み出す現象は、「光起電力効果」と呼ばれています。これは、セルを構成する半導体に光(太陽光の粒子)が当たると、内部の電子がエネルギーを受け取り、動き出す(解放される)ことによって電流が発生する仕組みです。この小さなセルを多数、直列や並列につなぎ合わせ、決められた電圧と電流を取り出せるようにパッケージ化したものが、最終的な製品である『太陽電池モジュール』となるわけです。一枚のモジュールで大きな電力を得るために、この集合体としての設計が重要なのです。
導入が進む背景:工場・製造現場のメリット

実は、製造業や工場において『太陽電池モジュール』の導入を検討されるケースが増えています。その背景には、企業経営における具体的なメリットがあります。
①エネルギーコストの削減
製造業や工事業は、一般的に電力消費量が大きい業種です。自社の工場や倉庫の屋根に『太陽電池モジュール』を設置し、発電した電気を自家消費すれば、電力会社から購入する電気量を大幅に減らせます。これは、電気料金の値上がりが続く現状において、ランニングコストの安定化に直結する大きなメリットです。
②企業のBCP(事業継続計画)対策
地震や台風などの自然災害によって電力供給が途絶えた際でも、蓄電池システムと連携させることで、非常用電源として活用することが可能です。製造ラインの緊急停止を防いだり、最低限の照明や通信機器を稼働させるBCP対策としても、太陽光発電は有効な手段です。
③企業価値の向上(RE100・カーボンニュートラル)
再生可能エネルギーの使用は、企業のCO2排出量削減に貢献します。これは、環境に配慮した企業としてのイメージアップにつながり、取引先や消費者からの信頼を高めます。とくに、サプライチェーン全体で環境負荷低減を求められる現代において、RE100(事業活動で使用するエネルギーを再生可能エネルギー100%で賄うことを目指す国際的なイニシアチブ)を視野に入れる大企業との取引優位性にもつながります。
導入時に知っておきたいモジュールの種類と選び方
『太陽電池モジュール』にはいくつか種類があり、それぞれ特徴が異なります。導入を検討する際は、設置場所や求める性能に応じて適切なものを選ぶ必要があり、「より多くの発電量を得る」ために、どのモジュールを選ぶべきかの検討は非常に重要です。
主なモジュールの種類
現在、市場で普及しているのは主に以下の二種類です。
・単結晶シリコン型
シリコンの純度が高く、セル一枚の発電効率に優れています。限られた屋根面積で、より多くの発電量を確保したい場合に適切。
・多結晶シリコン型
単結晶型に比べて製造コストが低く、コストパフォーマンスに優れています。
近年は、『PERC構造』(パッシベーション・エミッター・リア・セル)と呼ばれる高効率な製品も広く採用されています。
賢く選ぶための3つの視点
単純な発電効率だけでなく、以下の点も考慮して選定することが重要です。
・温度特性
日本の夏は高温多湿です。
安定した発電量を確保するためには、温度が上がった際の発電効率の低下(「出力低下率」)がより小さいモジュールを選ぶことが鍵となります。
・耐久性
屋外で長期間使用することを考慮し、塩害への耐性や、PID現象(長期の使用によって出力が低下する現象)への耐性があるかどうかを必ず確認しましょう。
・保証
万が一の際にも安心できるよう、メーカーの長期保証が充実しているかの確認が不可欠です。
私たちは、単に製品を販売するだけでなく、お客様の立地条件や屋根の強度、自家消費率といった詳細な条件を考慮して最適な設計をご提案します。
次の成長へつながる『太陽電池モジュール』の導入
『太陽電池モジュール』は、環境負荷の低減だけでなく、企業経営の安定と成長を支える重要なインフラ投資としての側面も持っています。「『太陽電池モジュール』って何?」という疑問から、その具体的な仕組みやメリット、選定のポイントまでをご紹介しました。工場のエネルギーコスト削減やBCP対策にご関心のある方は、ぜひ一度、私たち株式会社カナデンにご相談ください。お客様の状況に合わせた最適なソリューションをご提案します。

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