6月スタート!熱中症対策の新たな法規制
2025年6月18日
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熱中症対策義務化の背景
近年、地球温暖化の影響で気温が上昇し、職場での熱中症被害が深刻になっています。作業中の集中力低下だけでなく、命に関わる事故も増えています。2023年の熱中症による労働災害は多くの犠牲者を出し、この問題に対応するため、厚生労働省は2025年6月1日から熱中症対策を義務化することになりました。
新しい労働安全衛生規則の内容
どんな作業が対象になるの?
新しいルールでは、次のような環境での作業が特に注意が必要です。
- 暑さ指数(WBGT)が28度又は気温31度以上の作業場
- 1時間以上連続、または1日4時間を超える作業
これらの条件下では、熱中症になる危険性が科学的に証明されています。
会社に義務付けられる対策
1.報告体制の整備
- 熱中症の自覚症状がある作業者が報告するための体制を作る
- 熱中症の恐れがある作業者を見つけた人が報告できる連絡先や担当者を決める
- これらの体制を事業場ごとに定め、関係する作業者全員に周知する
2.熱中症発生時の対応手順の整備
- 作業からの離脱方法
- 身体の冷却方法
- 必要に応じて医師の診察や処置を受けさせる手順
- 事業場の緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先や所在地
- 熱中症の症状悪化を防止するための措置の内容と実施手順
- これらをすべて事業場ごとに定め、関係する作業者全員に周知する
ルールを守らないとどうなる?
新しい規則に違反した場合、会社には罰則が科される可能性があります。特に対策を怠って重大な事故が発生した場合は、罰金や行政処分だけでなく、場合によっては刑事責任を問われることも。また、従業員やその家族から損害賠償を求められるリスクもあります。
効果的な熱中症対策のポイント
暑さ指数(WBGT)を活用しよう
暑さ指数は、気温だけでなく湿度や日射などを含めた総合的な暑さの指標です。この数値を測定・管理することで、効果的に熱中症リスクを把握できます。WBGT値が高い時は、作業計画の見直しや対策強化が必要です。
休憩と水分補給のルールを作ろう
熱中症を防ぐには、「こまめな水分補給」と「適切な休憩」が大切です。特に暑い環境では、作業者自身が体調の変化に気づきにくくなるので、休憩時間や水分補給のタイミングをあらかじめ決めておくことが効果的です。
過去の事例から学ぼう
熱中症による事故の多くは、初期症状の見落としや対応の遅れが原因です。過去の事例を学び、早期発見・早期対応の仕組みを作りましょう。例えば、暑い時期の作業を涼しい時間帯に移動させたり、クーリング設備を導入したりする対策が効果的です。
熱中症対策がもたらすメリット
熱中症対策の強化は、従業員の健康を守るだけでなく、会社にとっても多くのメリットがあります。
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安全な職場環境の実現
従業員が安心して働ける環境が整い、生産性向上にもつながります。 -
企業イメージの向上
従業員の健康を大切にする会社として、社会的評価が高まります。 -
長期的なコスト削減
事故やケガの減少によって、長期的には医療費や休業補償の支出も減らせます。
2025年からの熱中症対策義務化は、従業員と企業の両方にとって、より安全で健康的な職場環境を作るための重要なステップです。気候変動によって暑さが厳しくなる中、今から対策を始めることで、安全な職場づくりと企業価値の向上を実現しましょう。