遠隔監視カメラの種類と特徴

公開日:2024.12.26 更新日:2024.12.26

遠隔監視カメラの種類と特徴

遠隔監視カメラはパソコンやスマートフォンから映像の確認が可能で、防犯や営業時間外の警備コストを削減できるといったメリットがあります。小売店や事務所のような屋内だけでなく、屋外でも設置されることが多い遠隔監視カメラですが、種類も多く購入時の選定が難しい製品といえるでしょう。この記事では遠隔監視カメラの種類や機能などを紹介し、選定の際のポイントもまとめました。

遠隔監視とカメラの必要性

犯罪抑止などの観点から、一般家庭だけでなく企業でも監視カメラを導入するケースが増えています。ここでは、遠隔監視とカメラの必要性を4つ解説します。

1.遠隔監視による業務効率化

従来の監視カメラであれば、現地に足を運んで映像を確認する必要がありました。遠隔監視カメラによって、本社や拠点などから現場の状況を確認することが可能になります。企業にとっては、これまで余計にかかっていた時間や人件費を削減できる点がメリットといえるでしょう。

2.安全性向上

介護施設や保育園など、限られた人数で見守りが必要な施設でも、遠隔監視カメラは役立ちます。立ち入り禁止の区域に入っていないか監視することも容易になるため、施設全体の安全性を向上させることができるでしょう。異常発生時や緊急事態にも迅速に対応できるため、リスクを最小限に抑える効果もあります。

3.防犯や犯罪の抑止

店舗の場合は万引き、駐車場では車上荒らし、職場においては暴力行為といった犯罪行為に注意しなければなりません。遠隔監視カメラが設置されていることが周知されていれば、犯罪の抑止効果が期待できます。また、これまで防犯のために常駐していたスタッフや警備員がいる場合、人件費負担の軽減も見込めるでしょう。

4.不正行為の監視

職場でのハラスメントや製造ラインでの偽装など、不正行為の抑止はコンプライアンス上の重要事項といえます。オフィスや工場内に設置することで不正行為の監視ができるだけでなく、記録映像が事故や不正発覚の際に証拠として役立ちます。そのほか、映像を活用して原因調査や対策立案に活用することも可能です。

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さまざまな遠隔監視カメラの種類と特徴

遠隔監視カメラは用途に応じてさまざまな製品ラインナップが存在します。ここでは、遠隔監視カメラの種類や機能を紹介するので、購入を検討される方は情報を整理しておきましょう。

ネットワークカメラ

最初に従来型の監視カメラであるアナログカメラについて紹介します。アナログカメラはCCTV(Closed Circuit Television)カメラとも呼ばれ、機器の費用が安い点が特徴です。同軸ケーブルでモニターとカメラと録画機をつなげて構成されます。カメラと録画機を直接接続することで映像遅延が少なくなるため、安定した録画ができるでしょう。ただし遠隔監視はできない製品がほとんどです。

一方でネットワークカメラはIPカメラとも呼ばれており、カメラ単独でインターネット環境に接続できます。そのため、遠隔地からの監視や操作が可能になり、防犯対策にも活用されています。LANケーブルでカメラをインターネットに接続させるのが一般的で、アナログカメラと比較して配線はシンプルです。録画データはネットワーク経由で、サーバーやNAS、クラウドに保存するシステムとなります。電源はACアダプター経由で供給するほか、LANケーブル経由の供給(PoE)も可能です。高性能なためコストは高めですが、幅広い場所で利用しやすいカメラといえるでしょう。

ワイヤレスカメラ

ネットワークカメラのうちWi-Fiなどの無線接続によってインターネットに接続できるカメラを指します。無線ルーターと組み合わせるため配線の必要がなく、カメラの移動も手軽に行える点がメリットです。

ただし、障害物などで通信が安定しない場合、映像データが不鮮明になることがあります。

PTZカメラ

PTZカメラは、水平回転(パン=P)、垂直回転(チルト=T)、拡大・縮小(ズーム=Z)できるカメラです。ドーム型のタイプが主流で、自由にレンズを動かせるのが大きな特徴です。また、広範囲を自在に撮影できるため、リアルタイムでの監視と非常に相性が良いといえます。遠隔操作のためのコントローラーを使えば、レンズを操作して広範囲の撮影も可能です。

一般的には、他の固定カメラよりも価格帯が高めな点や、自動追尾時などに死角が発生する点などに注意が必要です。

高感度カメラ

夜間や光量の少ない暗い場所であっても、顔の特徴や動きを認識できるレベルで撮影可能なカメラです。事務所や工場、駐車場の夜間監視など、屋外・屋内問わず幅広く活用されています。

暗視補正により、暗い所でも自動で明るさを補正してくれる機能がついていますが、あくまで「明るさの補正機能」であるため、撮影するときには最低限の明るさが必要になります。

サーモグラフィカメラ

設備が発する熱を監視できるカメラで、工場や電力会社の変電所などで活用されています。

温度上昇を検出することで設備の故障を事前に察知し、迅速な点検作業に役立てることが可能です。

屋内カメラと屋外カメラ

遠隔監視カメラには屋外用と屋内用の2種類があります。

屋内カメラの特徴としては、小型で目立ちにくいデザインになっており、カメラを通じて音声のやり取りができる機能、夜間でも撮影できる赤外線機能や動きを感知して自動録画する機能、そしてスマートフォンやパソコンでリアルタイムに映像を確認できる機能などが搭載されています。

屋外カメラは、屋外での使用を目的としているため防水・防塵性能に優れている製品が多いです。そのほか、暗い所でも鮮明な映像が撮影できる、高解像度センサーによって鮮明な映像を記録できる、耐衝撃性能も備えているなど、基本的な性能が高い傾向にあります。

以上のほか、トラブル状況を把握できるマイク搭載カメラ機能やマーケティングにも利用できる人数カウント機能があれば、マーケティングにも利用できるなど、さまざまなカメラや機能選びにより活用の可能性は広がっていくでしょう。

遠隔監視カメラ選定3つのポイント

企業が遠隔監視カメラを購入する際、どのような点に気を付けて選ぶと良いのでしょうか。ここからは選定時の3つのポイントをお伝えします。

画質・解像度

まずは、カメラの画質や解像度が十分か確認しましょう。カメラの画質や解像度の良し悪しには、「画素数」が関係します。

画素数とは、1インチ内にピクセル(画像の最小単位)がどの程度並んでいるかを指す言葉です。画素数が多い(1インチ内のピクセル数が多い)ほど、鮮明で解像度の高い映像を確認できます。映像の場合は720pや1080pといった記載もされるため覚えておきましょう。例えば、アスペクト比16:9の場合、1080pは横1920ピクセル×縦1080ピクセルを表します。

必要な画素数は設置目的に応じて異なりますので、設置目的に適した解像度のカメラを選ぶことがポイントです。

なお、PTZカメラのようにズーム機能のついた遠隔監視カメラの場合、解像度が低いとズームした際に対象物を特定できない可能性があります。

防犯カメラとして利用する場合、200万画素程度であれば最低限必要な情報は確認できる解像度です。より鮮明に映像情報を確認したい場合は、400万画素以上のカメラを購入しましょう。

耐久性

遠隔監視カメラを屋外に設置する予定であれば、耐久性の確認も重要です。屋外に設置するのであれば、防水・防塵仕様であるか、気温の変化に耐えられるかなど、天候による影響範囲を確認しておきましょう。

防水や防塵性能はIP規格で判断できます。固形物体に対する保護性能は0〜6、水に対する保護性能は0〜8で表され、最も優れているのはIP68になります。

天候などの影響に不安がある場合は、カメラと併せて保護カバーの購入も検討すると安心です。

また、一般的な防犯カメラの耐用年数は5~6年といわれています。メーカーやメンテナンス状況によっては、それ以上問題なく使用できる場合もありますが、平均的な寿命や保証を付けられる場合は保証期間なども確認し、万が一の場合に備えることが必要です。

コスト

遠隔監視カメラの設置には、本体の購入費用や設置工事費といった初期コストが必要です。運用開始後は毎月の電気代や不具合・故障の際のメンテナンス費用といった運用コストも発生します。これらの費用は基本的に、ネットワークカメラやPTZカメラなど高性能な製品ほど多くかかります。

コストパフォーマンスを考慮しつつ、必要な機能を確認したうえで、費用が想定内に収まるか、事前にシミュレーションすると安心です。

購入を検討中の方は、遠隔監視カメラのお見積もりもカナデンにご相談ください。

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遠隔監視カメラ購入準備チェックリスト

最後に、遠隔監視カメラを購入する場合のチェックリストをまとめました。購入を検討する企業や迷っている担当者は、ぜひ参考にしましょう。

設置場所の確認

まずは遠隔監視カメラを設置する目的と屋内外の設置場所、その環境を確認します。製品の仕様やネットワーク環境によっては、希望する設置場所に設置できない可能性も考えられます。

必要であれば設置したい場所の写真を撮っておき、カナデンにご相談くださいませ。

必要な機能のリストアップ

撮影画質やマイクによる音声録音、PTZ機能など、必要な機能は設置目的や場所によって異なります。設置目的に合わせて、最低限必要な機能をリストアップすると選びやすくなります。

特にカメラの画質はどの程度が理想か、音声の録音や暗視の機能は必要か、設置場所が屋外であれば防水機能などもついていた方が良いか、などを事前に確認しておくと安心です。もしご必要な場合はカナデンにお問い合わせください。

ネットワーク環境の確認

カメラのネットワーク接続に必要な環境や配線を整備します。

ネットワーク環境は、カメラの遠隔操作や映像をリアルタイムで確認したいのであれば必要不可欠です。ネットワークカメラの購入を検討している場合は、対応するネットワークの仕様や環境を事前に確認しましょう。

「カメラを高額で購入したものの、うまくネットワークに接続できず使用できなかった」というようなアクシデントを防げます。

予算設定

予算内で必要な機能を満たすカメラを選定できるかも重要です。

一言で遠隔監視カメラといっても、備わっている機能や仕様によって、最低予算で購入できる製品から高額なものまで、多様な種類があります。

事前情報のないまま購入しようとすると、「購入したい機能を備えたカメラが想像以上に高かった…」というようなことも起きかねません。

そのため、必要な機能を備えたカメラを購入するにはどの程度の予算が必要か、メーカーの担当者に相談するなどしておきましょう。

導入後のサポート確認

アフターサポートの有無や保証期間を確認しましょう。

希望の遠隔監視カメラを購入できたものの、「購入して短期間で不調になってしまった」という事態もあり得ます。設置費用や運用費用なども含めると、決して安い買い物ではないため、保証や修理サポートが整った業務用のカメラがおすすめです。

保証期間は1年~3年と定めるメーカーが多いですが、保証期間を過ぎるとメンテナンス費用が高くなることもありますので、安心できる保証内容であるかは注意して確認しましょう。

事前準備で遠隔監視カメラ選びから導入をスムーズに進めよう

遠隔監視カメラを設置することで、その場にいなくても映像で状況を確認できたり、犯罪行為の抑止など安心感を高めたりと、多様な目的を果たせます。さらに警備に関するコスト削減や業務改善も可能にします。

クラウド型のネットワークカメラであれば、遠隔監視システムの導入ハードルも下がります。一方で、性能の違いからカメラの種類は増えてきており、細かい機能の違いがわからず想定以上のコストがかかってしまうこともあります。

遠隔監視カメラの購入を検討する際には、この記事でご紹介した選ぶ際のポイントを事前に確認しておくことで、必要な機能を備えたカメラを選択できるでしょう。

カナデンでは、カナデンでは、お客様のニーズに最適な遠隔監視カメラの選定から導入後のアフターサポートまで、ワンストップでお手伝いいたします。最新のIoTやAI技術を活用したソリューション提案も可能です。遠隔監視についてお悩みごとがあれば、まずはお気軽にご相談ください。

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