【令和7年度】アシストスーツに活用できる補助金とは|申請の流れと注意点を解説

公開日:2024.06.27 更新日:2025.05.30

アシストスーツ

アシストスーツとは、製造業や介護、農業などの現場で利用されている装着型の補助機器のことです。作業者の負担を軽減できるなど多くのメリットがありますが、導入には一定の費用が必要です。アシストスーツの導入を検討するなら、補助金を活用してみてはいかがでしょうか。

本記事では、アシストスーツの導入に活用できる補助金について解説します。アシストスーツの主な種類と価格帯、補助金申請の流れと注意点についても紹介しますので、導入を検討している方は参考にしてください。

アシストスーツの種類と価格帯

アシストスーツは、人工筋肉やモーターの力によって荷物や重量物の持ち上げ・持ち運びを補助します。製品の特長や価格は、下記のようにメーカーによって異なります。

■アシストスーツの特長と価格帯

種類 特長 価格帯
パッシブタイプ
  • モーターがなく装着しやすい
  • 人工筋肉などで動作を支える
数万円~数十万円
アクティブタイプ
  • モーター搭載でアシスト力が高い
数十万円~100万円程度
サポートタイプ
  • 腰やひざなど局所をサポート
  • コルセットを着けたように姿勢を維持
数万円程度

※価格は相場であり、機能により変動する場合がございます。

サポートタイプは比較的安価なため導入しやすいですが、パッシブタイプやアクティブタイプには高価なものが多く、まとまった数量を導入する場合は慎重に検討する必要があるでしょう。

アシストスーツの需要は、現場作業者の高齢化や腰への負担軽減などの課題がある中、各業界で高まり続けています。一方で、高価な製品を多数導入することは、費用対効果の観点から難しいというケースも少なくありません。こうした事情により、需要はあるものの普及はそれほど進んでいないのが現状です。

アシストスーツの補助金は、この状況を改善する手段のひとつとなっています。メーカーがアシストスーツのラインアップの拡大や価格の引き下げに力を注ぐとともに、自治体や民間法人は補助金制度を設け、アシストスーツの導入を後押ししています。

アシストスーツに活用できる主な補助金

続いては、アシストスーツの導入に活用できる主な補助金を紹介します。補助金制度の内容を確認の上、検討してみてください。

なお、アシストスーツに活用できる補助金の事業や制度は、下記以外にも全国のさまざまな自治体や民間法人などが実施しています。例えば、農業が盛んな地域では、自治体が農業従事者向けにアシストスーツなどを対象とした補助金制度を設けていることがあります。自社の所在地や業種などを踏まえ、該当する自治体や民間法人の補助金を探してみるといいでしょう。

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また、無料で補助金活用の相談ができる「カナデン補助金ヘルプデスク」もお気軽にご利用ください。

介護ロボット導入支援事業

介護ロボット導入支援事業は、介護従事者の負担を軽減する介護ロボットの導入を支援するもので、全国の各自治体で実施されています。支援対象にはアシストスーツも含まれていますが、支援を受けるためには申請が必要です。申請に必要な提出書類や補助金額、2025年度のスケジュールは自治体によって異なるため、申請する際には自治体のウェブサイトなどを確認してください。なお、2025年度から養護老人ホーム等が対象に追加される見込みです。

【補助要件・補助率等】

補助金の適用要件は、以下のとおりです。

  1. 職場環境の改善を図り、収支が改善された場合、職員賃金へ還元することを導入効果報告に明記する
  2. 第三者による業務改善支援を受けること
  3. 入所・泊まり・居住系において、見守り、インカム・スマートフォンなどのICT機器、および介護記録ソフトの3点を活用すること
  4. 従前の介護職員等の人員体制の効率化を行うこと
  5. 利用者のケアの質の維持・向上や職員の負担軽減につながる取り組みを実施する予定であること
補助率 要件を満たす場合は3/4(これ以外の場合は1/2)
上限額
  • 移乗支援、入浴支援:100万円
  • 上記以外の支援:30万円

※出典:厚生労働省「令和7年度 予算案の主要事項」https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/25syokanyosan/dl/01-02.pdf

ものづくり補助金

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業)は、中小企業や小規模事業者が生産性向上のために行う設備投資などを支援する制度です。全国中小企業団体中央会が実施し、アシストスーツの導入を含む、生産性向上に貢献するさまざまな取り組みが支援対象となっています。補助金は交付候補者の決定後、取り組みの実績報告などを経て交付額が決定し、事業者に交付される仕組みです。公募要領やスケジュールなどの詳細は、全国中小企業団体中央会の「ものづくり補助金総合サイト」に掲載されていますので、申請する際は事前に確認してください。

2025年度のものづくり補助金では、革新的な新製品・新サービス開発による高付加価値化を支援する「製品・サービス高付加価値化枠」と、海外需要開拓等の取り組みを支援する「グローバル枠」の2つが予定されています。ここでは、製品・サービス開発の取り組みを支援する「製品・サービス高付加価値化枠」を紹介します。

【補助要件・補助率等】

以下の要件を全て満たす、3~5年の事業計画を策定し、実行する必要があります。

  1. 付加価値額の年平均成長率が+3.0%以上増加
  2. 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上または給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加
  3. 事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準
  4. 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等(従業員21名以上の場合のみ)

最低賃金引上げ特例が適用される事業者の場合、基本要件は1、2、4のみとなります。

「製品・サービス高付加価値化枠」
対象事業 革新的な新製品・新サービス開発の取り組みに必要な設備・システム投資等
補助率 中小企業1/2、小規模・再生2/3
【特例措置】指定する一定期間において、3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の30%以上いる場合、最低賃金引上げ特例として補助率を2/3に引上げる。(常時使用する従業員がいない場合、小規模企業・小規模事業者、再生事業者は除く)
上限額
  • 5人以下 750万円(850万円)
  • 6~20人 1,000万円(1,250万円)
  • 21~50人 1,500万円(2,500万円)
  • 51人以上 2,500万円(3,500万円)
【特例措置】大幅な賃上げに取り組む事業者には、補助上限額を100万~1,000万円上乗せする。上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。(各申請枠の上限額に達していない場合、常時使用する従業員がいない場合、再生事業者、最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例事業者は除く)
申請受付期間 2025年4月11日~4月25日

※出典:ものづくり補助金総合サイト「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(第19次公募)」https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/19th/公募要領_19次締切_20250219.pdf

※出典:中小企業庁「令和6年度補正予算ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_mono.pdf

※出典:中小企業庁「令和6年度補正予算ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金概要」https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_mono_summary.pdf

「カナデン補助金検索システム」でも「ものづくり補助金」の検索・詳細確認ができます。ぜひご活用ください。

エイジフレンドリー補助金

厚生労働省が実施しているエイジフレンドリー補助金は、高齢者を含む労働者が安全かつ安心して働けるよう、労働災害防止対策などの取り組みを補助する制度です。重量物の運搬や介護作業の負担軽減、腰痛予防への取り組みも補助の対象となるため、アシストスーツの導入にも活用できます。2024年度は、当初10月31日まで申請を受け付ける予定でしたが、予算の消化が早まり、10月1日に終了しました。このことから、補助金への関心の高さがうかがえます。

厚生労働省の令和7年度予算案から、2025年度のエイジフレンドリー補助金の概要を紹介します。労災保険に加入している中小企業事業者が対象で、補助対象となる取り組み、補助率、上限額は以下のとおりです。

  【既存】職場環境改善コース 【既存】転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース 【既存】コラボヘルスコース 【新設】エイジフレンドリー総合対策コース
補助対象 1年以上事業を続けている事業場で行う、高年齢労働者にとって危険な場所や負担の大きい作業を解消するための取り組み(機器等の購入や工事の施行等) 労働者の転倒防止や腰痛予防のために行う、専門家等による身体機能のチェックや運動指導等 事業所カルテや健康スコアリングレポートを活用した、コラボヘルス等の労働者の健康保持増進の取り組み 専門家によるリスクアセスメントと、その結果に基づく優先的な安全対策(機器等の導入や工事の施行等)
補助率 1/2 3/4 3/4 4/5
上限額 100万円 100万円 30万円 100万円

2025年度は、専門家の支援を受けてより効果的な対策を講じるため、新たに「エイジフレンドリー総合対策コース」が設けられ、補助率は4/5と、他のコースよりも高めに設定される予定です。申請する際は、厚生労働省のウェブサイトで詳細をご確認ください。

※出典:厚生労働省「令和7年度 予算案の主要事項」https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/25syokanyosan/dl/01-02.pdf

※出典:厚生労働省「エイジフレンドリー補助金について」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09940.html

「カナデン補助金検索システム」でも「エイジフレンドリー補助金」の詳細が確認できます。ぜひご活用ください。

アシストスーツの補助金申請の流れ

補助金申請の流れ

アシストスーツの導入で補助金を活用する際の申請の流れは、下記のとおりです。詳細は申請する補助金制度によって異なるため、自治体などのウェブサイトで確認しましょう。

1. 申請できる制度を探す

アシストスーツに活用できる補助金制度は、自治体や民間法人などが実施しています。補助金を申請する際は、まず自社が申請できる補助金制度を探すことから始める必要があります。自社の業種や所在地、アシストスーツの導入時期などから、申請できる補助金制度を探してください。補助金制度の情報は、自治体などのウェブサイトや補助金情報をまとめたサイトなどに掲載されています。

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2. 導入製品と台数を決める

申請する制度を見つけたら、導入するアシストスーツと台数を決めます。アシストスーツのメーカー各社に問い合わせて、見積もりを取ると比較しやすいでしょう。導入するアシストスーツの台数は、補助金の上限などをもとに算出してください。

3. 補助金を申請する

補助金を申請する際は、公募要領をよく確認することが大切です。基本的に、補助金制度は受付期限が設けられています。期限を過ぎると受け付けてもらえないため、余裕を持って申請することをおすすめします。

なお、カナデンでは、取り扱っている製品について補助金や助成金が受給できるよう、全面的にサポートしています。補助金について疑問やご質問がございましたら、ご相談無料の「カナデン補助金ヘルプデスク」をご利用ください。また、「カナデン補助金検索システム」では、地域や目的、キーワードなどから補助金情報を検索できますので、併せてご利用ください。

アシストスーツの補助金を活用する際の注意点

アシストスーツの補助金の多くは、交付対象となる事業者が審査の上で決められます。補助金がもらえることを前提にアシストスーツを導入しても、審査の結果、交付されないこともあるため注意が必要です。

補助金を申請する際は、制度の趣旨に沿って書類をそろえることが大切です。補助金の公募要領には、会社規模、資本金、アシストスーツ導入で得られるメリットなどを細かく記載する必要があります。また、制度によっては申請順に補助金が交付されることもあるため、できるだけ早めに申請しましょう。

補助金以外に費用を抑えてアシストスーツを導入する方法

アシストスーツを、補助金以外の方法で費用を抑えて導入したい場合は、レンタルを利用する方法があります。レンタルであれば、高価なアシストスーツでも低価格で利用可能です。

レンタルは基本的には短期間の契約となるため、作業者に合わない場合は次回から製品を変更することもできます。申請できる補助金がない場合や購入することが難しい場合などは、レンタルを検討してみてはいかがでしょうか。

アシストスーツ選びには無料体験会の活用がおすすめ

アシストスーツを選ぶ際は、試着ができる無料体験会や相談会を活用するのがおすすめです。現場作業者に合ったアシストスーツを選ぶには、作業者みずからアシストスーツを使ってみることが大切だからです。

無料体験会や相談会では、さまざまなメーカーのアシストスーツを体験でき、使い心地を確かめることができます。メーカーの担当者などから製品の説明が受けられるほか、操作方法についてアドバイスを受けることも可能です。無料体験会以外にも、メーカーに依頼すればデモ機などの試着ができる場合があります。作業者が使いやすいアシストスーツを選ぶには効果的な方法といえるでしょう。

アシストスーツ選びは、現場作業者の負担や生産性にも関わる重要事項です。自社にふさわしい製品を選ぶために、ぜひ無料体験会などで試着してみることをおすすめします。

アシストスーツのことならカナデンにご相談ください

現場作業者の負担を軽減できるアシストスーツは、高齢化が進む中、さまざまな分野でニーズが高まっています。一方で、パッシブタイプやアクティブタイプのアシストスーツは高価な製品が多く、導入は容易ではありません。こうした状況を受け、自治体や民間法人は補助金制度を設けて、アシストスーツの導入を後押ししています。補助金を上手に活用するには、公募要領に細かく目を通し、制度の趣旨に沿って必要事項を正確に記載することが大切です。また、申請の受付期限を過ぎることがないよう、早めの対応を心掛けてください。

アシストスーツを選ぶ際は、アシストスーツの試着ができる無料体験会や相談会の活用がおすすめです。体験会・相談会はメーカーが行っていますので、情報を集めて参加してみてはいかがでしょうか。カナデンでも、アシストスーツの体験会・相談会の斡旋、デモ機の貸し出しなどを行っています(一部地域を除く)。お気軽にご相談ください。

カナデン製品サイトでは、アシストスーツをはじめとした、作業環境の改善に役立つ製品を多数ご紹介しています。セグメントや製品名・メーカー名でも検索可能です。ぜひご覧ください。

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