ファクトリーオートメーション(FA)とは?基礎知識からメリット・導入手順まで解説

ファクトリーオートメーション(工場自動化)された工場のイメージ画像

現場の人手不足や生産性の低下に悩み、競合他社が自動化を進める姿に焦りを感じていませんか?生産体制の見直しや来期の設備投資計画を考えるうえで、「ファクトリーオートメーション(FA)」の導入は非常に有効な解決策となり得ます。

本記事では、FAの定義や「スマートファクトリー」との違いといった基礎知識から、導入するメリット・デメリットまでを分かりやすく解説します。さらに、他社の具体的な成功事例や、失敗のリスクを最小限に抑えるための3ステップの導入手順もご紹介します。

この記事は、東証プライム市場上場企業として、三菱電機をはじめ400社以上の製品を取り扱い、「工場の自動化・省人化ソリューション」もご提供してきた株式会社カナデンの知見とノウハウを元に解説しています。

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ファクトリーオートメーション(FA)の基礎知識

製造業における効率化をサポートすると考えられている「ファクトリーオートメーション(FA)」。言葉は知っていても、具体的な中身や「スマートファクトリー」との違いが判らない方もいらっしゃるでしょう。

ファクトリーオートメーションの例

対象工程 自動化の内容 期待される効果
加工・組み立て ロボットアームによる部品の組み付け 生産スピードの向上、省人化、品質の均一化、安全性の向上、24時間稼働の実現
搬送 無人搬送車(AGV)による部品の運搬 省人化、作業員の身体的負担の軽減、搬送ルートの最適化、安全性向上
検査 画像センサーを用いた不良品の検知 品質のばらつきの解消、省人化、見落とし防止(全数検査)、検査データの蓄積

ファクトリーオートメーションの定義と目的

ファクトリーオートメーションとは、工場の生産工程を自動化する仕組みです。従来は人が手作業で行っていた加工や組み立て、検査などの工程を、機械や制御システムに置き換える取り組みを指します。自動化を進める目的のひとつに、限られた人員で生産性を高めるというものがあります。例えば、重い部品の運搬や危険を伴う作業をロボットに任せることで、作業員の負担を減らすなどが該当します。結果として、人がより付加価値の高い業務に集中できるサポートになるのです。工場全体の効率を底上げする手法として、ファクトリーオートメーションは重要な役割を担うと言われるようになりました。

「スマートファクトリー」との違い

ファクトリーオートメーションとスマートファクトリーは、目的とする範囲に違いがあります。ファクトリーオートメーションが特定の生産工程の自動化に焦点を当てているのに対し、スマートファクトリーは工場全体の最適化を目的とした概念です。現場の設備をネットワークでつなぎ、IoTやAIを活用してデータを分析し、工場全体を自律的に制御していく考え方と言えるでしょう。ファクトリーオートメーションは特定の作業を効率化するための手段であり、その積み重ねの先にスマートファクトリーという姿が広がっていくと考えられます。

ファクトリーオートメーションとスマートファクトリーの違いを表すイメージ画像

ファクトリーオートメーションを構成する機器

センサ、制御機器、駆動機器からなるファクトリーオートメーションの構成システム図

ファクトリーオートメーションの構成には、いくつかの重要な機器が必要です。主に、人間の感覚や頭脳、手足に代わる役割を持つ機器が組み合わされており、具体的にはセンサ、制御機器、駆動機器の三つに分けられます。

  • センサ(五感の役割):物体の位置や色、温度、音、距離などの状態を読み取る
  • 制御機器(頭脳の役割):センサからの情報をもとに、次の動作を指示する
  • 駆動機器(手足の役割):モーターやロボットなど、実際に物理的な作業を行う

上記の機器が連携することで、スムーズな自動化が実現する仕組みを形作っているのです。

ファクトリーオートメーションが強く求められる背景

今、なぜ多くの製造現場で自動化へのシフトが加速しているのでしょうか。その背景には、少子高齢化に伴う深刻な人材不足と、デジタル技術でビジネスを一変させる世界的な変革の波が大きく関係しているとされます。

深刻化する人手不足と技術の承継問題

製造業において、働き手の不足が深刻な課題となりつつあると考えられています。少子高齢化の影響で若い世代の採用が難しくなっていることと、長年現場を支えてきた熟練の技術者が退職時期を迎えている状況が影響している可能性が高いです。ベテランの感覚や経験に頼っていた作業を、若手に引き継ぐための時間が確保できていないと感じる方も少なくないでしょう。こうした状況下で、熟練技術者の作業をデータ化し、機械に再現させるファクトリーオートメーションの導入に期待が集まっているのです。

※出典:経済産業省「2024年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告) (METI/経済産業省)」https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2024/

第四次産業革命に向けた動きの加速

世界的に進む第四次産業革命(インダストリー4.0)の流れも、ファクトリーオートメーションを後押ししていると考えられています。デジタル技術を活用して製造業のビジネスモデルそのものを変革しようという動きが活発になってきました。変革を実現するためには、現場のデータを正確に収集する基盤が求められます。手作業による記録はデータにばらつきが生じやすく、リアルタイムな分析も困難になりがちです。生産設備を自動化し、稼働状況をデジタルデータとして取得できるようにすることが、第四次産業革命の第一歩となるでしょう。

※出典:経済産業省「第1部第1章第3節 価値創出に向けた Connected Industries の推進:2018年版ものづくり白書(METI/経済産業省)」https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2018/honbun/html/honbun/101031.html

ファクトリーオートメーションを導入するメリット

現場の自動化促進は、作業の効率化だけではない数多くのメリットをもたらします。ここでは、生産性・品質・安全性の3つの視点から、得られる具体的な恩恵を詳しく解説します。

メリットの分類 具体的な効果 経営へのインパクト
生産性の向上とコスト削減 24時間体制での連続稼働による生産量の増加 供給能力向上による売り上げ拡大、および人件費等の長期的な製造コストの削減
品質の安定化 プログラム制御と自動検査によるヒューマンエラー(品質のバラつき)の解消 常に一定の品質を維持することによる顧客からの信頼獲得
労働環境の改善と安全性の確保 危険・過酷な作業のロボット代替による労働災害リスクの低減 企業の社会的責任(CSR)の遂行と採用活動でのアピール力向上

メリット1:生産効率を高めてコストを削れる

ファクトリーオートメーションを導入する大きな利点一つは、生産効率を高められることです。機械は人間のような疲労を感じないため、壊れない限り一定のペースで稼働し続けられます。長時間の連続稼働が可能になれば、単位時間あたりの生産量は格段に増加するでしょう。夜間や休日の人員配置の見直しにもつながり、結果的に人件費の削減にも寄与するはずです。初期費用はかかりますが、長期的な視点で見れば大きなコストメリットを生み出すと考えられます。

メリット2:品質を安定させてミスを防げる

人の手による作業では、ミスやばらつきが発生しやすい傾向があります。作業員の体調や経験年数によって、仕上がりに差が出てしまうのは避けにくいでしょう。一方、機械であればプログラムされた通りに正確な作業を繰り返せます。画像センサを用いた自動検査などを導入すれば、人間の目では見落としがちな微小な傷も検出しやすくなるでしょう。ヒューマンエラーを抑え、常に一定の品質を保ちやすい点は、自動化ならではの強みと言えます。

メリット3:作業環境を改善して安全を確保できる

製造現場には、高温の環境や重い物を運ぶ作業など、危険を伴う工程が存在します。過酷な環境での作業を自動化することは、従業員の安全を守るうえで重要な意味を持ちます。危険な作業をロボットに代替させることで、労働災害のリスクを抑えやすくなるでしょう。従業員が安全で快適に働ける環境の整備は、企業の社会的責任を果たすことにもつながります。働きやすい職場環境は、新たな人材を採用する際にも前向きなアピール材料になり得るのです。

ファクトリーオートメーション導入前に知っておきたい注意点

ファクトリーオートメーションの導入はメリットばかりではありません。失敗を防ぐためにも慎重な検討を重ねて、費用面のリスクや現場の受け入れ態勢といった注意点を把握しておきましょう。

初期投資や維持管理に費用がかかる

費用の種類 具体的な項目 考慮すべきポイント
初期費用 設備購入費
システム設計費
設置工事費
補助金活用を検討する
維持費用 定期点検費
消耗品交換費
修理費
電気代
年間予算としてあらかじめ確保する
教育費用 オペレーター育成費
マニュアル作成費
担当者の引き継ぎ体制も構築する

ファクトリーオートメーションの導入には、まとまった初期投資が必要です。産業用ロボットやセンサなどの機器本体だけでなく、システムを構築するためのエンジニアリング費用もかかります。さらに、導入後も定期的なメンテナンスや部品交換などのランニングコストが発生します。事前に綿密な費用対効果のシミュレーションを行い、何年で投資を回収できるかを明確にしておくのがおすすめです。十分な計画なしに進めると、投資を回収できずに資金繰りを圧迫する可能性があるので注意しましょう。

専門知識を持つ人材が不足している

自動化設備を導入しても、運用する人材がいなければ「宝の持ち腐れ」になりかねません。設備の操作やトラブル発生時の対応には、専門的な知識と技術が求められます。社内に適任者がいない場合は、新たに採用するか、既存の従業員を教育する取り組みが必要になるでしょう。システムインテグレーターなどの外部専門家に運用を委託する方法もありますが、社内にある程度の知見を蓄積しておかないと、迅速な対応が難しくなる傾向があります。人材育成の計画も導入プロジェクトに組み込んでおくことが理想的です。

「費用対効果のシミュレーションが作れない」「社内に任せられる人がいない」とお悩みなら、お気軽にカナデンまでご相談ください。カナデンでは製品選定からシステム構築、技術教育方法のご紹介まで伴走いたします。

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ファクトリーオートメーションを成功に導く導入手順

自動化を確実に成功へ近づけ、着実に投資を回収していくためには、正しい手順を踏むことが成功の鍵になります。すべての工程を一気に変えるのではなく、リスクを抑えながら着実にステップを進めるための3段階のプロセスを解説します。

ステップ 実施内容 注意点
1.現状分析と目的の明確化 各工程の現状(人員・時間等)を把握し、導入目的を明確にする 目的が曖昧なまま設備を導入しても、期待した効果を得にくい
2.自動化範囲の選定とシステム設計 効果が高く、導入しやすい工程から優先順位をつけ、システムを設計する 一度に全てを自動化せず、既存設備との連携や拡張性を考慮する
3.費用対効果の検証とスモールスタート 解決すべき優先順位を決める 課題の洗い出しと現場の習熟を図りながら、段階的に拡大する

ステップ1:現場の現状を分析し目的を明確にする

導入を成功へ近づけるには、まず現場の現状を正確に把握することが出発点になります。どの工程にどれくらいの人員や時間がかかっているのか、どこにミスが発生しやすいのかを洗い出していきましょう。課題が明らかになったら、自動化によって何を達成したいのかという目的を明確にすることが理想的です。コストを削減したいのか、品質を向上させたいのかなど、目的によって選ぶべき設備やシステムは変わってきます。目的が曖昧なまま最新の設備を導入しても、期待した効果を得にくくなる傾向があります。

ステップ2:自動化の範囲を選びシステムを設計する

現状と目的が整理できたら、次に自動化する範囲を決定していきます。すべての工程を一度に自動化しようとすると、システムが複雑になりすぎ、失敗するリスクが高まりかねません。まずは費用対効果が高く、比較的導入しやすい工程から優先順位をつけて選定するのが理想的です。対象工程が決まったら、どのような機器を組み合わせてシステムを構築するかを設計していきましょう。既存の設備との連携や、将来的な拡張性も考慮しながら、最適な構成を検討する姿勢が求められます。

ステップ3:費用対効果を検証し小さくスタートする

システム設計が完了したら、導入にかかる費用と見込まれる効果を比較検討していきます。初期投資だけでなく、数年間の運用費用も含めて計算し、現実的な投資回収計画を立てることが理想的です。実行に移す際は、小規模な範囲から始めるスモールスタートがおすすめです。ひとつの工程でテスト稼働を行い、問題点や改善点を洗い出してから徐々に範囲を広げていくことで、大きな失敗を防ぎやすくなるでしょう。現場の作業員にも機械の操作に慣れてもらう期間を確保でき、スムーズな移行につながると考えられます。

ファクトオートメーションに最適な製品4選

自動倉庫『ロータリーラックH』

自動倉庫『ロータリーラックH』は、各棚が独立して動く「多段式独立水平回転棚」により、物流現場の自動化を強力に推し進めます。各段が同時に回転して目的のアイテムをステーションへ絶え間なく自動搬送するため、作業者は歩き回る必要がなくなり、圧倒的な高速入出庫が可能になります。 最大の強みは、この高速性と「保管・仕分け・順立て出庫」をこれ1台で完結できる点です。トレイ式のため専用コンテナへの詰め替えが不要で多様な荷姿のまま扱うことができ、限られた空間での高密度保管と大幅な生産性向上を同時に実現します。

産業用ロボット『MELFA FRシリーズ』

産業用ロボット『MELFA FRシリーズ』は、従来は人の手に頼っていた難度の高い作業を自動化し、工場の生産性向上や人手不足の解消に貢献します。

本製品の強みは、AIやセンサと高度に連携する「知能化技術」です。これにより、繊細な力加減が必要な精密組み付け工程の自動化を可能にしました。さらに、クラス最高レベルの高速・高精度な動作性能に加え、限られたスペースでも自在に動くコンパクトなボディを両立。シーケンサ等のFA機器ともシームレスに高速連携し、高度な自動化ラインを柔軟に構築できます。

AI汎用外観検査ソフトウェア『EasyInspector2』

AI汎用外観検査ソフトウェア『EasyInspector2』は、熟練者の目視に頼っていた検査工程を自動化し、製造現場の人手不足解消と品質の均一化に貢献します。

最大の強みは、複雑な欠陥を捉える「AI」と、精密な測定を行う「従来画像処理」を高度に融合した点にあります。プログラミング不要の直感操作でスムーズに導入できるほか、完全自社開発のため、現場のニーズに合わせた柔軟なカスタマイズも可能です。

パレタイズロボット/デパレタイズロボット

パレタイズ/デパレタイズロボットは、AIと独自技術でケース荷役の無人化・省人化に貢献します。重労働や冷凍下などの過酷な環境での作業を自動化し、作業者の負担を劇的に軽減します。 本製品の強みは、事前の画像登録が一切不要なマスタレスAI認識です。単載・混載を問わずわずか0.5秒で様々な段ボールを認識します。さらに1台で積み付けと荷卸しの両方に対応し、独自のハンドリング技術で破損を防ぎつつ安定稼働します。

カナデンの実際の自動化事例はこちらの記事をご覧ください

まとめ

この記事の要点をまとめます。

  • ファクトリーオートメーションは生産工程を自動化し生産性や品質などを高める仕組みである
  • 人手不足の解消やヒューマンエラー防止といった大きなメリットをもたらす
  • 高額な初期費用や専門人材の不足などの課題には事前対策が必要である
  • 現場の課題分析を徹底し小規模から段階的に導入を進めることが成功の鍵である

自社の現状をしっかりと見極め、最適な自動化戦略を描いていきましょう。

工場の自動化を成功させる鍵は、現場に合わせた最適な製品の組み合わせにあります。多数の自動化実績を持つカナデンが、商社の強みを活かしてメーカーの枠を超えたベストなシステムをご提案いたします。まずはお気軽に「やりたいこと」をお聞かせください。

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執筆者:カナデン編集部

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