【省エネ効果大】工場のエア漏れ確認方法と修理手順|見落としを防ぐ専用ツールも紹介

工場の保全や生産技術を担当する方のなかには、「シュー」という音が聞こえるものの、どこからエアが漏れているのか特定できず、高騰する電気代の削減策に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。圧縮空気のエア漏れ(エアリーク)は、放置すると多額の電気代ロスやコンプレッサーの寿命短縮を招く見過ごしたくない問題です。
本記事では、耳や手、発泡液を使って現場ですぐにできる基本的な確認方法から、騒音下でも漏れを正確に特定できる音響カメラ(超音波カメラ)の活用法、発見後の補修手順や専門家に相談すべきケースまでを詳しく解説します。
この記事は、東証プライム市場上場企業として、三菱電機をはじめ400社以上の製品を取り扱い、「工場の見える化・自動化」もご提供してきた株式会社カナデンの知見とノウハウを元に解説しています。
工場でのエア漏れ確認が重要になる理由
工場において圧縮空気は重要な動力源ですが、配管や機器の隙間から意図せず空気が漏れ出ているケースは少なくないでしょう。エア漏れを放置すると、企業にとって無視できない規模の経済的損失や設備への悪影響をもたらすと言われています。まずは、なぜエア漏れの確認と対策がこれほどまでに求められているのか、具体的な理由を整理していきます。
| 影響の分類 | 具体的なリスクと内容 |
|---|---|
| コストの増加 | 無駄な圧縮空気を作るための多額の電気代ロスが発生する |
| 設備の劣化 | コンプレッサーが過剰に稼働し、部品の摩耗や故障が早まる |
| 環境への負荷 | 余分な電力消費に伴い、工場のCO2排出量が増加する |
1mmの穴でも大きな電気代の損失を生むため
エア漏れがもたらすとされるデメリットの一つに、直接的な電気代の無駄遣いが挙げられます。圧縮空気を作るには多くの電力を消費するため、漏れた空気は利益を圧迫する要因になり得ます。一見すると小さな穴であっても、空気が噴出し続けることで大きなエネルギーロスにつながりかねません。圧縮空気の圧力や稼働時間によって変動するものの、配管に直径1mmの穴が空いているだけで、稼働条件次第で年間数万円~10万円程度の電気代が無駄になるとされています。漏れ箇所が増えればその分だけ損失も積み上がり、稼働時間が長い工場では年間数十万円~百万円規模の損失となる場合もあります。
コンプレッサーが消耗し機器寿命を縮めるため
エア漏れは電気代の増加だけでなく、コンプレッサー本体の寿命にも影響を及ぼす可能性があります。配管の途中で空気が漏れて圧力が低下すると、現場で必要な圧力を維持するため、コンプレッサーは通常よりも長く、あるいは強く稼働を続ける状況になりかねません。機械が休む間もなくフル稼働を強いられれば、モーターや内部部品への負荷が高まりやすくなります。想定されていた耐用年数よりも早く部品が摩耗し、突発的な故障を引き起こすリスクが高まる傾向があります。故障によって工場全体の生産ラインが停止すれば、電気代の損失を大きく上回る損害につながりかねません。
損失額とCO2排出量の可視化が省エネにつながるため
エア漏れ対策を進めるうえでは、見えない空気を「金額」や「環境負荷」という目に見える指標に変換することが、対策を前に進める鍵になるでしょう。昨今は、製造業全体でカーボンニュートラルへの対応が求められる時代です。エア漏れを塞ぐだけで、新たな省エネ設備を導入しなくても大きなCO2削減効果を得られるケースも存在します。漏れ箇所ごとの損失額とCO2排出量をリスト化し、経営課題として共有するのが理想的です。対策にかかる費用対効果が明確になれば、補修材の購入や外部専門家への依頼といった次のアクションへ移行しやすくなるはずです。
工場内でエア漏れが発生しやすい箇所はどこ?

広大な工場でエア漏れを探し回るのは非効率と考えられるため、漏れが発生しやすいポイントに的を絞ることが対策への近道です。ここでは、優先的に確認すべき代表的な箇所を解説します。
| 発生箇所の分類 | 具体的な部品・設備の例 |
|---|---|
| 接続部品 | ホース、バルブ、カプラ(継手類)など |
| 振動の影響を受ける箇所 | 工作機械の内部、稼働部のエアシリンダなど |
漏れの約8割を占めるとされる「バルブ・ホース・カプラ」
工場内のエア漏れの8割以上は、空気の流れを制御するバルブ、空気を送るホース、そしてホースを着脱するカプラ(継手類)の3部材から発生しているとされています。
バルブは内部のパッキンが摩耗することで隙間が生じやすく、ホースは作業中に踏まれたり引っ張られたりすることで物理的なダメージを受けやすい部品です。まずは各生産ラインのバルブ周辺や床を這うホースに狙いを定めて点検するだけでも、工場全体のロスを大きく削減できるでしょう。
ホースや配管同士を接続する継手、ホースをワンタッチで着脱できるカプラも、エア漏れが発生しやすいポイントです。継手やカプラには、気密性を保つためにゴム製のOリングやシール材が使われています。工場内の温度変化や油分の付着により、ゴム部品は年数が経つにつれて硬化し、ひび割れを起こしやすくなります。カプラの抜き差しを繰り返すことで内部の部品が摩耗し、接続部から空気が漏れ出すケースも見られます。外見からは金属の部品が正常に見えても、内部のシール材が寿命を迎えているケースもあります。
設置から数年以上が経過しているホースや継手、頻繁に着脱を行うカプラ周辺は、念入りに確認したい要注意エリアです。
※出典:環境省(SHIFT)(参考)過去のCO2削減対策メニュー「142111 配管の空気漏れ対策 概要シート」https://shift.env.go.jp/files/navi/measure/142111.pdf
振動を受けやすい工作機械内部の「接続部」
機械の内部にはエアシリンダや細いチューブが張り巡らされ、エア漏れの原因になり得る部品です。稼働中の工作機械は常に振動を発しているため、振動によって内部の接続部が少しずつ緩んでいくことがあります。機械はカバーで覆われていることが多いため、漏れが発生していても作業員は気づきにくいでしょう。機械が停止しているタイミングを見計らい、安全を確保したうえでカバーを開け、エアシリンダの周辺やチューブの接続部に緩みがないかを確認しましょう。定期メンテナンスの項目に内部の点検を組み込むのがおすすめです。
現場で今すぐ実践できる基本的なエア漏れ確認方法
専用の機械を持っていなくても、人間の五感や身近な道具を使うことで、ある程度の漏れ箇所を特定できます。ここでは、今日から現場で実践できる基本的な方法を紹介します。
| 確認方法の種類 | 必要な道具と特徴 |
|---|---|
| 聴覚による確認 | 道具不要、静かな環境で音を聞き分ける手法 |
| 触覚による確認 | 道具不要、手のひらで空気の流れを直接感じる手法 |
| 視覚による確認 | 専用の発泡液や石鹸水、泡の膨らみで漏れを見る手法 |
耳を澄ませて微かなシューという音を聞き取る
手軽で費用がかからない方法の一つが、人間の耳を使った聴覚による点検です。配管の隙間から圧縮空気が押し出されると、「シュー」という独特の高周波音が発生します。作業員が工場内を巡回しながら、継手やバルブの周辺に耳を傾けるだけで、ある程度の漏れ箇所を見つけ出せるはずです。ただし、周囲の環境音に左右されやすい傾向があります。機械がフル稼働している日中は、漏れる音が騒音にかき消されやすいため、工場の稼働が停止している時間を狙って実施するのがおすすめです。
継手や接続部に手をかざして微細なエアーの流れを感じる
音だけで判断するのが難しい場合は、触覚を組み合わせる方法がおすすめです。漏れの疑いがある箇所の近くに手をかざし、皮膚で直接空気の流れを感じ取ります。特に、配管の裏側や入り組んだ場所など、耳を近づけにくいポイントでは、手で探るアプローチが重宝するでしょう。音を聞きながら怪しい箇所に手を近づけ、風を感じたら周辺をピンポイントで調べる手順を踏むことで、特定までの時間を短縮できるはずです。安全のため、高温になる配管や稼働中の機械の近くでは、火傷や巻き込まれに十分注意して実施しましょう。
泡持ちの良い専用発泡液を塗布して視覚的に特定する
耳や手である程度の場所を絞り込めたら、最終的な漏れ箇所の特定には液体を使うのがおすすめです。従来は石鹸水が使われてきましたが、現在ではエア漏れ点検用に開発された専用の発泡液スプレーを使用するのが一般的です。怪しい継手やバルブに発泡液を吹きかけると、空気が漏れている部分から気泡が次々と膨らんできます。専用の発泡液は微小な漏れでも泡が壊れにくく、錆を防止する成分が含まれているものも多いです。報告用の写真撮影などにもおすすめの方法と言えるでしょう。
従来の手作業では確認が難しくなっている理由
工場の規模が大きくなり、設備が複雑になるほど、アナログな手法だけでは対応しきれない場面が出てきます。どのような課題があるのかを整理します。
| 手作業の課題 | 現場で直面する具体的な困難 |
|---|---|
| 騒音による阻害 | 機械の稼働音で漏れる音が聞こえなくなる |
| 物理的なアクセス困難 | 高所や危険エリアの配管には安全に近づけない |
| 多大な工数と負担 | 広い工場を全て手作業で点検するのは非現実的 |
機械の騒音で漏れる音がかき消されやすいため
聴覚による確認の大きな障壁となり得るのが、工場内の騒音です。プレス機やモーターが稼働している環境下では、小さなエア漏れの音は周囲の音に埋もれやすくなります。稼働を止める休日や夜間に点検を行えば解決するように思えますが、保全担当者の休日出勤が増え、働き方改革の観点からも現実的とは言いにくいでしょう。機械を止めた状態では圧力がかからず、稼働中にしか発生しない漏れを見逃しやすいというジレンマも存在します。
高所や高温の危険エリアには近づけないため
触覚や発泡液を使った確認方法は、点検箇所に直接手が届く箇所に限られてしまいます。しかし、実際の工場では、手の届かない場所にも多くの配管が張り巡らされています。天井近くを通るメイン配管の継手や、安全柵で囲まれた高温・高圧の危険エリアなどは、容易に近づけません。高所の点検を行うためには足場を組むか高所作業車を手配する必要があり、相応の手間とコストがかかります。安全上の理由から物理的にアクセスできない場所は、長年にわたって点検から漏れやすい傾向にあり、見えないところで大きなエネルギーロスが発生しているケースもあり得ます。
時間と労力がかかり全体を網羅できないため
発泡液を一つひとつの継手に吹きかけていくのは相応の時間がかかってしまうでしょう。数千から数万という接続部を持つ大規模な工場において、全ての箇所を発泡液で検査するのは現実的とは言いにくいはずです。担当者が通常の保守業務の合間を縫って点検を進めても、工場全体をカバーするには数ヶ月を要することもあります。人員不足の深刻化が叫ばれる製造現場において、より効率的で迅速な解決策が求められているのです。
発見が難しいエア漏れを正確に特定するツール

工場の稼働を止めずに安全かつスピーディにエア漏れを見つけ出すためには、最新のテクノロジーを活用した専用ツールが役立ちます。近年、製造現場で導入が進んでいるとされるのが「音響カメラ(超音波カメラ)」です。
| ツールの機能 | 手作業の限界をどう解決するか |
|---|---|
| 超音波の検知 | 周囲の騒音を無視して漏れの音だけを捉える |
| モニターへの可視化 | 離れた場所からでも漏れ箇所を画面で確認できる |
| 損失額の自動計算 | 漏れ量を数値化し、直すべき優先順位を明確にする |
20〜30kHzの超音波を検知して騒音下でも漏れを見つける
音響カメラ(超音波カメラ)の強みの一つは、人間の耳には聞こえない高い周波数の音も捉えられることにあります。空気が細い隙間から勢いよく噴き出す際に発生する超音波を活かした仕組みです。従来型の検知器では40kHz前後を検出するものが多い一方、工場の騒音に対してエア漏れの音圧が高い20〜30kHz付近の帯域を用いることで、周囲が騒がしくてもエア漏れ特有の超音波を効率よく検知できます。工場がフル稼働している平日の日中であっても点検を行えるため、休日出勤などの担当者の労力負担を軽減できるのが魅力です。
カメラで撮影して漏れ箇所をモニター上に可視化する
検知した超音波の情報を、光学カメラの映像と重ね合わせてディスプレイに表示できる機能が搭載されていることが多いです。カメラを配管に向けると、音の発生個所がサーモグラフィーのように色付けされて画面に映し出されます。活用できれば、数メートルから十数メートル離れた場所からでも、どこから空気が漏れているのかを特定できるようになるでしょう。高所にある配管への直接的なアプローチや安全柵を超える必要がなくなり、発泡液を一つずつ塗ることも減るため、検査にかかる時間を短縮できます。
漏れ量や損失金額を自動計算して修繕の優先順位を決める
最新の超音波カメラには、漏れている空気の量を推定するソフトウェアが搭載されていることもあります。画面上で見つけた漏れ箇所を撮影すると、漏れの規模から年間どれくらいの金額的損失が出ているかを自動で算出する仕組みです。限られた予算と時間の中で「どこから直すか」という優先順位づけできるようになるでしょう。損失金額が大きい箇所やCO2排出量への影響が大きい箇所をリストアップし、レポートとして出力すれば、経営陣への報告や修繕予算の獲得もスムーズになるはずです。
工場のエア漏れ点検におすすめのツール・サービス4選
エア漏れの発見には、騒音や高所といった現場特有の制約を乗り越えられる専用のツール・サービスを活用するのが効果的です。ここでは、株式会社カナデンが取り扱うエア漏れ対策に役立つ製品とサービスを4つ紹介します。
エア漏れ診断サービス
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エア漏れ診断サービスは、専門スタッフが工場を訪問してエア漏れ箇所の特定から損失額の数値化までを代行する診断サービスです。自社に専用機器や熟練の点検要員がいない工場に代わり、外部の専門家が短期間で全体をスキャンする役割を担います。人員不足や省エネ対策の着手段階で重宝される選択肢です。本サービスは推定漏れ量に加えて電気代の損失金額やCO2排出量まで数値で可視化するため、社内稟議や経営層への報告資料としてそのまま活用できます。工場稼働中の診断や高所・狭所への対応にも強く、影響の大きい箇所から優先順位を付けたレポートで修繕計画を組み立てやすい点も魅力です。
産業用音響カメラ『FLIR Si124LD-Plus』

産業用音響カメラ『FLIR Si124LD-Plus』は、騒音下でも正確な音響画像を生成してエア漏れ箇所を視覚的に特定できる産業用音響カメラ(超音波カメラ)です。人間の耳には聞こえない高周波音も複数のマイクで捉え、その発生源を光学カメラの映像に重ね合わせて表示する仕組みを備えています。大規模工場の定期点検や、稼働中の現場巡回で広く活用されています。本製品は124個のマイクを搭載しており、騒がしい工場環境下でもエア漏れ特有の音を高精度に検知できます。圧縮空気以外の気体の漏れ量検出や漏れコスト算出にも対応しているため、省エネ施策を多角的に進めたい現場に適しているでしょう。修繕の優先順位付けや経営層への報告資料の作成にも役立ちます。
エアリーク検出装置『エアリークビューアー』

エアリーク検出装置『エアリークビューアー』は、配管やバルブからの気体漏れを音で捉えて可視化する、実績豊富な設備診断ツールです。現在は、従来の気体漏れ検知に加え、電気設備の絶縁不良(部分放電)も監視できる1台2役の上位モデルもあります。これにより、配管点検から盤内点検までを1台に集約でき、保全担当者の巡回点検を一元化し、工場の省エネと安全管理を同時に実現します。
コンパクトサーモグラフィカメラ『FLIR C5』

コンパクトサーモグラフィカメラ『FLIR C5』は、ポケットに収まるサイズで、ホットヒューズ、エア漏れ、配管の問題などの隠れた障害をすばやく見つけて診断できる機器です。サーモグラフィカメラは、対象物が放射する赤外線を捉えて温度分布を画像化する機器で、目視では分かりにくい温度ムラを可視化できます。本製品は解像度160×120のサーモ画像に加え、5メガピクセルのデジタルカメラとLEDフラッシュライトを搭載しています。LEDフラッシュライトの搭載や、ポケットに収まる軽量コンパクトな設計により、暗い場所や限られたスペースの隠れた問題を特定しやすくなっています。
ここまで4つの製品・サービスをご紹介しましたが、「自社の工場にどれが最適か判断がつかない」と感じた方もいらっしゃるでしょう。カナデンは400社以上のメーカーの製品を取り扱う技術商社として、複数メーカー検討しての製品選定や見積作成にも対応しています。お客様にとっての"ベストパートナー"としてご提案をしますので、選定に迷われた際はぜひ一度ご相談ください。
※現状やお悩み、質問等お気軽にご記入ください。
発見したエア漏れを止めるための手順

漏れ箇所を特定できたら、次はその穴を塞ぐアクションを起こしましょう。ここでは、現場で行いたい具体的な補修手順について説明します。
| 補修のステップ | 具体的な作業内容と目的 |
|---|---|
| 1.応急処置 | テープや補修材を使い、一時的に漏れを食い止める |
| 2.部品の交換 | 劣化したホースや継手を新品にし、根本から解決する |
| 3.再確認 | 修繕後に圧力をかけ、確実に直っているかをテストする |
ステップ1:自己融着テープなどで応急処置する
部品の在庫がない場合や、設備をすぐに停止できない場合は、一時的に漏れを防ぐ応急処置を行いましょう。一般的なガムテープなどでは空気の圧力に耐えられないため、専用の補修アイテムを使用します。配管のピンホールや小さなヒビ割れには、引っ張りながら巻きつけることでテープ同士が一体化する「自己融着テープ」がおすすめです。継手の隙間など複雑な形状の場所には、紫外線を当てると数秒で固まる「UV硬化補修材」を塗り込む方法も有効な場合があります。新しい部品が納品されるまでの間、無駄な空気の流出と電気代の損失を最小限に抑えるための重要なステップとなるでしょう。
ステップ2:劣化したホースやカプラを交換する
応急処置を行った場合はその後、計画的に部品の交換を実施して根本的な解決を図りましょう。部品の在庫がある場合は、応急処置を経ずに直接交換作業へ進んでも問題ありません。ひび割れたウレタンホースや、長年の使用で内部が摩耗したカプラは、新品に取り替える以外に根本的な修繕が難しいのが実情です。交換の際には、これまでと同じ部品を使うのではなく、耐久性の高い専用部品への切り替えを検討するのもよいでしょう。例えば、着脱時の衝撃に強い構造を持った安全カプラや、劣化しにくい材質のホースを選ぶことで、将来的な再発リスクを抑えられるはずです。設備の稼働スケジュールを調整し、安全に空気を抜いた状態で確実な交換作業を行いましょう。交換作業そのものを標準化し、誰でも正しい手順で実施できるマニュアルを整備しておくのも大切です。
ステップ3:再加圧して漏れの停止を確認する
修繕が完了したら、コンプレッサーを動かして配管に通常の圧力をかけ、漏れが止まっているかを確認するテストを実施しましょう。新しい継手を締め込む際のトルク不足や、シールテープの巻き方によっては、直したはずの場所から再び空気が漏れることもあります。修繕箇所に再度発泡液を塗布するか、超音波カメラを向けて、変化がないかをチェックしましょう。最終確認を怠ると、時間とコストをかけた対策が無駄になりかねません。異常がないことを確認し、修繕前と修繕後の状態を記録に残すことで、一連のエア漏れ対策が完了となります。
エア漏れ対策を専門家に相談したほうがよいケース
企業の状況によっては、外部の専門家やソリューション提供企業の力を借りたほうが効率的な場合もあります。ここでは、どのような場面で専門家を頼るべきかを紹介します。
| 相談を検討すべき状況 | 専門家から得られる解決策 |
|---|---|
| 人員・時間不足 | 代行調査サービスにより、担当者の負担なく全社を網羅する |
| 包括的な省エネ推進 | エア漏れだけでなく、設備全体のエネルギー最適化を提案してもらう |
| 予知保全の導入 | センサーで常時監視し、異常を自動検知する仕組みを構築する |
人員不足で点検体制を構築できないとき
「エア漏れの重要性は理解しているが、現場が忙しすぎて点検に回す人がいない」という悩みを抱える企業は少なくないでしょう。大規模な工場であればあるほど、自社の人員だけで何万箇所もある接続部を定期的に見て回るのは困難になりがちです。人手が足りない場合は、専門の機器を持った外部業者にエア漏れ調査を委託するのがおすすめです。プロが超音波カメラなどを用いて短期間で工場全体をスキャンし、どこからどれだけの漏れがあるのかを詳細なレポートにまとめて提出します。社内のリソースは修繕計画の立案や実際の部品交換に集中させられるため、対策のスピードが上がり、電気代削減の成果を早く出すことにつながるでしょう。
工場全体の省エネ計画を立案したいとき
エア漏れの修理は工場全体の省エネ活動のひとつです。より大きなコスト削減を目指すのであれば、コンプレッサーの台数制御や配管ルートの見直しなど、設備全体の最適化が求められます。しかし、大掛かりな計画を自社の知識だけで進めるのはリスクも小さくありません。設備系に強い商社やコンサルタントに相談すれば、エア漏れについてだけでなく、投資対効果の高い省エネ改修プランを提案してもらえるでしょう。補助金の活用や最新の省エネ機器の導入を含め、中長期的な視点でのコスト削減ロードマップを描きたい場合は、専門家の客観的な視点を取り入れるのがおすすめです。
常時監視で異常を早期発見したいとき
定期的な巡回点検だけでは、次回の点検までの間に発生した新たな漏れを見逃しやすいと考えられます。より高度な管理を目指す企業にとっては、IoT技術を活用した常時監視システムの導入も有効な選択肢と言えるでしょう。コンプレッサーや主要な配管に流量センサや圧力センサを取り付けることで、常にエネルギーの使用状況をデータとして取得できます。大きな圧力低下や流量の増加があれば、システムが自動で異常を検知し、管理者のPCやスマートフォンに警告を出す仕組みです。予知保全システムを構築するためには、ネットワーク技術やデータ分析の専門知識が求められます。システム構築を得意とする外部パートナーと連携し、エア漏れを「探す」のではなく「自動で知らせてくれる」環境へとアップデートしていきましょう。
まとめ
この記事の要点をまとめます。
- 工場のエア漏れは年間を通じて多額の電気代損失や設備の寿命低下を招くため早期発見と修繕が重要
- 発生原因の約8割を占めるバルブやホース、そして経年劣化しやすい継手やカプラを優先的に点検すること
- 音や発泡液による手作業の確認には限界があるため、騒音下でも正確に特定できる超音波カメラの活用が有効な手段
- 発見後は自己融着テープ等で応急処置を行い、根本的な解決のために計画的な部品交換と最終確認を実施すること
- 自社での対応が人員的・技術的に難しい場合は、代行調査や常時監視システムの構築を外部の専門家に相談すること
まずは現場の設備状況を把握し、自社に最適な確認方法と修繕サイクルを確立して、確実な省エネとコスト削減を進めていきましょう。
エア漏れを解決したいが「メーカー各社への問い合わせや、比較検討が負担になっている」そんな時は、カナデンにお任せください。特定のメーカーに縛られず、お客様の求める機能や精度、現場環境やご予算に応じた機器・システムを厳選してご提案いたします。窓口を一本化し、選定の手間を削減しませんか?まずは現在のお悩みをお聞かせください。
※現状やお悩み、質問等お気軽にご記入ください。






