防爆カメラとは?選び方や防爆記号の読み方、おすすめ製品6選をくわしく解説

防爆カメラが防爆エリアを監視しているイメージ

化学プラントや石油精製施設、粉じんを扱う工場など、爆発性雰囲気が発生する現場(防爆エリア)では、通常の監視カメラを使うことが重大な事故につながりかねません。安全対策や監視業務の自動化を進めたいと考えても、「防爆規格やZone分類が複雑で、どの製品を選べばよいか分からない」と悩む担当者は多いのではないでしょうか。防爆カメラは、法令や安全基準を満たしながら危険エリアの監視を実現するための重要な設備です。

本記事では、防爆カメラの基礎知識やZoneごとの危険場所の分類、国内の防爆規格や温度等級といった選定基準、用途別のおすすめ製品6選までを分かりやすく解説します。

この記事は、東証プライム市場上場企業として、三菱電機をはじめ400社以上の製品を取り扱い、「防爆カメラの選定・システム提案」もしている株式会社カナデンの知見とノウハウを元に解説しています。

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防爆カメラとは?

防爆エリアでは、通常のカメラを使うと火花や熱が引火事故の引き金になりかねません。ここでは、防爆カメラの基本的な知識と、産業現場で導入が広がっている背景について解説します。

防爆カメラの基礎知識

防爆カメラとは、防爆エリア(可燃性のガスや蒸気、粉じんが発生する危険な環境)でも安全に使用できるように設計された特殊な監視カメラのことです。一般的な電子機器は作動時にわずかな熱や静電気を発生させますが、これが危険なガスや蒸気、粉じんに触れると引火や爆発の原因となるリスクがあります。防爆カメラには、こうした電子機器特有の火花や熱を周囲の危険物質に伝えないための厳密な安全対策が施されています。プラントや工場など、わずかな引火が重大事故につながる場所で安全を守るための要となり得る製品です。

防爆カメラが求められる背景

化学プラントや石油精製施設、ガス関連工場、粉じんを扱う食品・化学工場など、産業現場には可燃性物質が常に存在する環境が数多くあります。わずかな火花や高温部品でも重大な爆発事故につながる可能性があり、設備・人命の両面で深刻な被害を招くリスクがあります。近年は労働安全衛生法や消防法をはじめとした各種法令、国際的な防爆規格(IECEx)や欧州の防爆指令(ATEX)への対応も厳格化しており、危険区域で使用する電気機器には防爆性能が必須とされています。加えて、遠隔監視やDX推進の流れの中で、危険エリアの無人化・省人化が進み、常時カメラによる安全監視の重要性はますます高まっています。防爆カメラは"安全管理と生産性向上を両立させる設備"として、多くの現場で導入が進められているのです。

※参考:厚生労働省「労働安全衛生規則の改正について(PDF)」https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/02/dl/s0220-13d.pdf

※参考:総務省消防庁「危険物施設における可燃性蒸気の滞留するおそれのある場所に関する運用について(PDF)」https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/items/190424kihotuuti.pdf

※参考:独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所(JNIOSH)「工場電気設備防爆指針(国際整合技術指針 2020)(PDF)」https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/doc/tr/TR-46_01-2020.pdf

※参考:欧州連合公式(EUR-Lex)「Directive - 2014/34 - EN - ATEX directive」 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX%3A32014L0034

おすすめの防爆カメラ6選

さっそく、おすすめの防爆カメラを6つご紹介します。防爆カメラの設置を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

防爆カメラ『TS-EXI Series』

防爆カメラ『TS-EXI Series』製品画像

防爆カメラ『TS-EXI Series』は、スペースが限られた危険場所にも設置できる小型の防爆カメラです。自動焦点ズーム機能、首振り機能などを搭載しています。耐圧防爆カメラは、内部で万が一の点火が発生しても爆発を筐体内に閉じ込め、外部の可燃性ガスへの引火を防ぐ役割を担います。危険場所で監視業務を担う機器として、化学工場や石油関連施設で採用されるケースが多いカテゴリです。またオールステンレス製なので、沿岸部や化学工場などでの使用にも適しています。整合指針の認証を受けており、第一類危険箇所(1種場所、Zone1)、第二類危険箇所(2種場所、Zone2)、ゾーン21、ゾーン22で使用可能です。

耐圧防爆形ネットワークカメラ『NWEXシリーズ』

耐圧防爆形ネットワークカメラ『NWEXシリーズ』製品画像

耐圧防爆形ネットワークカメラ『NWEXシリーズ』は、水素ガスを含む厳しい可燃性物質環境にも対応する耐圧防爆形のWebカメラです。

耐圧防爆形のネットワークカメラは、LANケーブル経由で映像伝送と電源供給を一本化できるPoE給電対応モデルが多く、既存のIPネットワーク上で危険エリア監視を統合できる点が特徴です。AI画像解析や遠隔監視との連携を進めたい現場で採用されています。

解像度や動作温度が異なる複数モデルから選択できるため、化学プラントから寒暖差のある屋外設備まで、幅広い現場で活用できるでしょう。整合指針の認証を受けており、第一類危険箇所(1種場所、Zone1)と第二類危険箇所(2種場所、Zone2)で使用可能です。

防爆形ネットワークカメラ『IZAP7Aシリーズ』

防爆形ネットワークカメラ『IZAP7Aシリーズ』製品画像

防爆形ネットワークカメラ『IZAP7Aシリーズ』は、カメラ本体にエッジAIを搭載し、危険エリアでのリアルタイム映像解析を可能にした防爆形ネットワークカメラです。

エッジAI技術により、カメラ側で高度な映像処理を行えるため、サーバー負荷を抑えながら動体検知などのリアルタイム解析を行いたい現場で活用されています。用途に合わせてAIアプリケーションを追加できる拡張性の高さも特長です。

水素ガス対応(IIB+H2)の防爆性能を備えているため、高度なセキュリティ対策やAIを活用した監視の自動化を推し進めたい化学プラントや先進工場におすすめです。水素ガスを含む危険エリア(ゾーン1、ゾーン2)で使用可能です。

Zone2対応防爆カメラ『AXIS P1468-XLE』

Zone2対応防爆カメラ『AXIS P1468-XLE』製品画像

Zone2対応防爆カメラ『AXIS P1468-XLE』は、Zone2の危険場所で使用できる屋外対応の防爆ネットワークカメラです。

Zone2対応の防爆カメラは、通常運転時にはガスが発生しないものの、異常時に短時間発生する可能性がある区域向けに設計されており、比較的軽量でコストを抑えやすい点が特徴です。屋外設備の常時監視や境界警備で採用されるケースが多く見られます。

既存のAxis製監視システムやVMS(映像管理ソフトウェア)と連携しやすいため、防爆エリアを含む工場全体で統一した監視基盤を構築したい現場におすすめです。

完全無線型防爆IoTカメラ『LC-EX10』

完全無線型防爆IoTカメラ『LC-EX10』製品画像

完全無線型防爆IoTカメラ『LC-EX10』は、電源工事や通信配線の負担を抑えて設置できる、完全無線型の防爆IoTカメラです。

完全無線型の防爆IoTカメラは、無線通信により配線制約から解放されるため、有線カメラの設置が難しい既存プラントや、短期的な計器監視・巡回代替に活用しやすいです。DXや遠隔監視の裾野を広げる新しい選択肢として注目されています。

本製品は、無線通信により配線工事の負担を大幅に減らせるため、監視ポイントを機動的に追加・移設したい現場で有効です。撮影データをクラウド経由で確認できる仕組みも備わっており、アナログ計器の遠隔読み取りや無人巡回のスモールスタート用途におすすめです。

整合指針の認証を受けており、第二類危険箇所(2種場所、Zone2)とゾーン22で使用可能です。

防爆サーモカメラソリューション

防爆サーモカメラソリューション製品画像

防爆サーモカメラソリューションは、危険エリアでの温度監視を実現する、耐圧防爆構造対応のネットワークサーモカメラシステムです。サーモカメラシステムは、対象物の表面温度を広範囲かつ定点で連続監視し、目視では気づきにくい機器や配管の異常温度を自動検知できるため、設備の異常発熱や火災の早期発見・予知保全に役立ちます。防爆エリアにおける安全管理の高度化と、巡回点検の自動化・省力化を推進したい現場で活用されています。

整合指針の認証を受けており、第一類危険箇所(1種場所、Zone1)と第二類危険箇所(2種場所、Zone2)で使用可能です。

防爆カメラの主な用途と利用メリット

防爆カメラは単なる防犯にとどまらず、現場の安全管理と業務効率化を両立するための重要なツールとして活用されています。人が立ち入るにはリスクが高いエリアを遠隔から監視することで、労働災害の防止や設備の異常早期発見に大きく貢献します。また、AI技術や画像認識を組み合わせることで、監視業務そのものを自動化する取り組みも広がっています。

主な用途 期待される効果
設備の異常検知 ガス漏れや設備の異常発熱の早期発見
作業員の安全確認 転倒や異常時の迅速な救護、労働災害の防止
設備・計器の監視 巡回点検の自動化、異常発生時の早期発見と対応
防犯・セキュリティ 不審者の侵入検知、機密エリアの安全確保

ガス漏れや異常発熱を早期検知して大事故を防ぐ

可燃性ガスや危険物を扱うプラントでは、わずかなガス漏れや設備の異常発熱が大規模な爆発や火災事故に直結するリスクがあります。防爆仕様のサーマルカメラや特殊検知カメラを導入すれば、目視では捉えられない透明なガスの漏洩や機器の過熱をリアルタイムで監視できます。初期段階で異常を検知してアラートを発報することで、壊滅的な被害に至る前に迅速な緊急停止や初期対応を行えるでしょう。災害を未然に防ぎ、プラント全体の安全性を高めるための重要な役割を果たします。

作業員の転倒や異常を遠隔から検知する

危険エリアで作業を行う従業員の安全を守るには、防爆カメラによる常時監視がおすすめです。現場は広大で死角が多く、万が一作業員が転倒したり体調を崩したりした場合、発見が遅れる可能性があります。防爆カメラの映像を安全なコントロールルームから確認することで、異常事態にすぐ気づき迅速な救助を行えるでしょう。最近では、画像認識システムと連動させて、作業員の不自然な動きや倒れ込みを自動で検知してアラートを発報する仕組みを導入する企業も増えています。

計器やタンク内を常時監視して効率化する

設備の稼働状況やタンク内の液面レベルを確認する作業は、防爆カメラで代替できます。従来は作業員が定期的に危険エリアへ足を運び、アナログ計器の数値を手書きで記録する必要がありました。防爆カメラを計器やサイトグラスに向けて設置すれば、遠隔地のモニターからいつでも安全に状態を確認できるでしょう。危険を伴う巡回点検の回数を減らし、現場担当者の業務負担軽減にもつながります。

不審者の侵入を防ぎ構内の安全を守る

敷地が広く死角が多いプラントにおいて、外部からの侵入者を監視することは重要な課題の一つと言えます。防爆エリアは爆発のリスクがあるため、悪意を持った第三者が侵入すれば大規模な事故やテロにつながるおそれがあります。フェンスの境界線や危険物保管庫の周辺に防爆カメラを配置することで、不審な人物や車両の動きを24時間体制で監視できるでしょう。高感度センサや赤外線機能を搭載したモデルを選べば、夜間でも鮮明な映像を記録し、確かなセキュリティ体制の構築につながります。

防爆カメラの選び方の基準

現場に適した防爆カメラを選ぶためには、いくつかの明確な基準をクリアしているかを確認する必要があります。防爆性能は目で見ても判断できないため、第三者機関による認証や規格の表示を頼りに選定を進めましょう。また、対象となるガスや粉じんの種類や、既存のネットワーク環境との相性も考慮することが求められます。

ステップ1:日本の防爆規格の認証を受けている製品を選ぶ

労働安全衛生法第44条により、防爆カメラを含む防爆機器は、国が定める防爆規格に適合している必要があります。日本の防爆規格は、以下の2つです。

  • 電気機械器具防爆構造規格(昭和44年労働省告示第16号)※通称「構造規格」
  • 工場電気設備防爆指針(国際整合技術指針 Ex2015,Ex2018,Ex2020)※通称「整合指針」

防爆カメラの製造元・販売元は、国から認可を受けた登録検定機関による「防爆構造電気機械器具に係る型式検定」を受け、上記2つの規格のうちどちらか一方の認証を受けなければなりません。検定に合格すれば、日本国内で使用可能です。最近は国際規格IECに準拠した「整合指針」の認証を受ける製品が多くなっています。

なおIECExやATEX、UL規格など、海外の防爆規格も複数ありますが、日本で使用する場合は必ず整合指針もしくは構造規格の認証を受ける必要があります。

ステップ2:設置場所で使用できる防爆構造の製品を選ぶ

危険場所の分類によって、防爆カメラに必要な技術的対策(防爆構造)が異なります。まずは防爆カメラの設置を検討している場所が「危険場所のどの分類に当たるのか」を確認し、危険場所に適した防爆構造の製品を選びましょう。

なお整合指針と構造規格で、同じ防爆構造でも、対応している危険場所が異なる場合があります。

ガス蒸気危険場所の一覧

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危険場所の分類 整合指針 構造規格
特別危険箇所
(0種場所、Zone0)
耐圧防爆構造(da)
本質安全防爆構造(ia)
樹脂充填防爆構造(ma)
特殊防爆構造(sa)
本質安全防爆構造(ia)
樹脂充填防爆構造(ma)
特殊防爆構造(s)
第一類危険箇所
(1種場所、Zone1)
耐圧防爆構造(d,da,db)
内圧防爆構造(pv,px,py)
安全増防爆構造(e,eb)
油入防爆構造(o,ob)
本質安全防爆構造(ia,ib)
樹脂充填防爆構造(ma,mb)
特殊防爆構造(sa,sb)
耐圧防爆構造(d)
内圧防爆構造(f)
安全増防爆構造(e)
油入防爆構造(o)
本質安全防爆構造(ia,ib)
樹脂充填防爆構造(ma,mb)
特殊防爆構造(s)
第二類危険箇所
(2種場所、Zone2)
耐圧防爆構造(d,da,db,dc)
内圧防爆構造(pv,px,py,pz)
安全増防爆構造(e,eb,ec)
油入防爆構造(o,ob,oc)
本質安全防爆構造(ia,ib,ic)
樹脂充填防爆構造(ma,mb,mc)
非点火防爆構造(nA,nC,nR)
特殊防爆構造(sa,sb,sc)
耐圧防爆構造(d)
内圧防爆構造(f)
安全増防爆構造(e)
油入防爆構造(o)
本質安全防爆構造(ia,ib)
樹脂充填防爆構造(ma,mb)
非点火防爆構造(n)
特殊防爆構造(s)

粉じん危険場所の一覧

防爆構造(整合指針) 整合指針の記号 対象となる危険場所
容器による粉じん防爆構造 ta ゾーン20
ゾーン21
ゾーン22
tb ゾーン21
ゾーン22
tc ゾーン22
防爆構造(構造規格) 対象となる粉じん
粉じん防爆普通防じん構造(DP) 可燃性粉じん
粉じん防爆特殊防じん構造(SDP) 可燃性粉じん
爆発性粉じん

製品の防爆構造を確認するには、仕様書や防爆構造電気機械器具に係る型式検定の合格証の写しなどを、製造元・販売元からもらいましょう。

防爆構造について、詳しくは以下を参考にしてください。

ステップ3:設置場所で使用している可燃性物質に対応している製品を選ぶ

該当の危険場所に存在し得る可燃性物質の種類によっても、防爆カメラに必要な性能が変わってきます。製品ごとの性能については、前述した仕様書や防爆構造電気機械器具に係る型式検定の合格証の写しなどに記された記号で確認可能です。なお、整合指針と構造規格で記号が異なります。

整合指針の場合

整合指針の場合は以下の要素を確認し、該当の危険場所に適した防爆カメラを選びましょう。

型式検定合格証や銘板における実際の表示例
  • 整合指針(ガス・蒸気)の表示例:
     Ex db IIC T4 Gb (防爆構造:耐圧db / グループ記号:IIC / 温度等級:T4)
  • 整合指針(粉じん)の表示例:
     Ex tb IIIC T130℃ Db (防爆構造:容器防爆tb / グループ記号:IIIC / 最高表面温度:T130℃)

※頭についている『Ex』は、防爆適合品であることを示す国際共通のマークです

ガス蒸気危険場所の場合

要素 詳細
防爆構造 着火を防ぐための機器の構造や方式(ステップ2に記載)
グループ記号 電子機器を使用する場所に存在する可燃性物質の分類
温度等級 該当の電子機器の最高表面温度

グループ記号と温度等級ごとの代表的な可燃性ガスの種類は以下の通りです。

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グループ記号 温度等級 T1 温度等級 T2 温度等級 T3 温度等級 T4 温度等級 T5 温度等級 T6
グループ記号 ⅡA アセトン
アンモニア
エタン
酢酸
トルエン
ベンゼン
メタン
酢酸エチル
ブタン
プロパン
無水酢酸
メタノール
ヘキサン アセトアルデヒド - -
グループ記号 ⅡB 一酸化炭素 エタノール
エチレン
エチレンオキシド
- ジエチルエーテル - -
グループ記号 ⅡC 水素 アセチレン - - - 二硫化炭素

粉じん危険場所の場合

要素 詳細
防爆構造 着火を防ぐための機器の構造や方式(ステップ2に記載)
グループ記号 電子機器を使用する場所に存在する可燃性物質の分類
最高表面温度 該当の電子機器の最高表面温度

グループ記号ごとの代表的な粉じんの種類と最高表面温度は以下の通りです。

グループ記号 対象となる粉じん 具体例
ⅢA 可燃性飛散物 綿くず、木材繊維など
ⅢB 非導電性粉じん 小麦粉、樹脂粉末、砂糖など
ⅢC 導電性粉じん アルミニウム粉、鉄粉、カーボンブラックなど

最高表面温度は、ガスの温度等級(T1〜T6)のような記号表記とは異なり、粉じんの場合は「T130℃」のように機器が到達する表面温度の上限が具体的な数値で直接表記されます。

構造規格の場合

構造規格の場合は以下の要素を確認し、該当の危険場所に適した防爆カメラを選びましょう。

型式検定合格証や銘板における実際の表示例
  • 構造規格(ガス・蒸気)の表示例:
     d2G4 (防爆構造:耐圧 d / 爆発等級:2 / 発火度:G4)
  • 構造規格(粉じん)の表示例:
     SDP-11 (または DP-12) (防爆構造:特殊粉じん SDP / 発火度:11)

ガス蒸気危険場所の場合

要素 詳細
防爆構造 着火を防ぐための機器の構造や方式(ステップ2に記載)
爆発等級 外部の可燃性物質へ点火しない容器の隙間の最大サイズ
発火度 可燃性のガスや蒸気が自然発火する温度

爆発等級と発火度ごとの代表的な可燃性ガスの種類は以下の通りです。

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指で左右にスクロールしているアイコン

爆発等級 発火度 G1 発火度 G2 発火度 G3 発火度 G4 発火度 G5
爆発等級1 アセトン
アンモニア
一酸化炭素
エタン
酢酸
トルエン
ベンゼン
メタン
エタノール
酢酸イソぺンチル
酢酸エチル
1-ブタノール
ブタン
プロパン
無水酢酸
メタノール
ガソリン
ヘキサン
アセトアルデヒド
ジエチルエーテル
-
爆発等級2 石炭ガス エチレン
エチレンオキシド
- - -
爆発等級3 水性ガス
水素
アセチレン - - 二硫化炭素

粉じん危険場所の場合

要素 詳細
防爆構造 着火を防ぐための機器の構造や方式(ステップ2に記載)
発火度 可燃性の粉じんが自然発火する(着火する)温度

発火度と代表的な粉じんの種類は以下の通りです。

発火度 粉じんの発火点(発火温度) 代表的な粉じんの例
11 270℃ を超えるもの 小麦粉、とうもろこし、砂糖、樹脂粉末(ポリエチレン等)、亜鉛、チタン、カーボンブラックなど
12 200℃ を超え 270℃ 以下のもの ココア、米ぬか、鉄粉、石炭など
13 150℃ を超え 200℃ 以下のもの 硫黄など

防爆構造や表示の見方について、詳しくは以下も参考にしてください。

ステップ4:アナログとネットワークのどちらの通信方式を採用するか決める

防爆カメラには、同軸ケーブルを使用するアナログカメラと、LANケーブルで通信するネットワーク(IP)カメラの2種類があります。アナログカメラは映像の遅延がなく、既存の配線をそのまま活かしてカメラ本体だけを入れ替えたい場合におすすめです。一方、ネットワークカメラは高画質で、LANケーブル1本で映像通信と電源供給を同時に行うPoE給電に対応しているモデルが多くなっています。AIによる画像認識や遠隔からの細かな制御を希望する場合は、拡張性の高いネットワークカメラを選ぶのが一般的で最近はネットワークカメラの導入が増えています。

防爆規格や可燃性物質、通信方式まで確認すべき項目が多く、自社だけで最適な1台を絞り込むのは難しいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。カナデンでは、防爆カメラの選定に関するご相談や、複数メーカーの防爆製品からの選定サポート、1工程のスモールスタートから、施設全体でのシステム構築までご相談いただけます。判断に迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。

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防爆カメラが必要な危険場所の分類

防爆カメラを選定するにあたり、設置場所の危険度を正しく把握することが重要です。国際電気標準会議が定める基準に基づき、危険場所はガス蒸気危険場所の3つの「Zone(ゾーン)」と粉じん危険場所の3つの「ゾーン」に分類されています。現場がどのZoneに該当するかによって、導入できるカメラの防爆性能が厳密に決められています。自社の設備がどの分類にあたるのかを事前に確認しておくことで、基準を満たさないカメラを誤って購入してしまうリスクを回避できます。

ガス蒸気危険場所

危険場所の分類 詳細
特別危険箇所
(0種場所、Zone0)
  • 危険場所の中でも、特に火災や爆発が起きる可能性の高い場所
  • 通常時に連続し、長時間もしくは頻繁に爆発性雰囲気が生成される場所
第一類危険箇所
(1種場所、Zone1)
  • 通常の状態で爆発性雰囲気が存在、生成される可能性がある場所
第二類危険箇所
(2種場所、Zone2)
  • 通常時では爆発性雰囲気が生成される可能性が低い場所
  • 爆発性雰囲気が生成されたとしても、短時間のみの場所
  • 第一類危険箇所(1種場所、Zone1)の周辺もしくは隣接した場所で、爆発性雰囲気が生成される場所

粉じん危険場所

危険場所の分類 詳細
ゾーン20 通常時において粉じんが空気中に長時間または頻繁に、もしくは連続して存在する場所
ゾーン21 通常時において粉じんが空気中に断続的に存在する場所
ゾーン22 通常時において粉じんが空気中に短時間のみ存在する場所

危険場所の分類についてより詳しく知りたい方は以下記事も参考にしてください。

防爆カメラ導入時に失敗しないための注意点

防爆カメラの導入は、通常のカメラに比べて初期費用が高く、工事の難易度も上がる傾向にあります。現場の環境を熟知した上で、設置後の運用まで見据えた計画を立てましょう。導入をスムーズに進め、設置後も長く安全に使い続けるための重要なチェックポイントを解説します。

注意するポイント 失敗を防ぐための具体的なアクション
現場情報の正確な共有 ガスの種類、危険場所の区分、設置場所の写真を販売店に提示する
保守サポートの確認 故障時の対応手順などを契約前に確認する

専門知識のある販売店に現場状況を正確に伝える

防爆カメラを選定する際は、自社の判断だけで決めるのではなく、防爆機器の取り扱いに長けた専門の販売店やシステムインテグレーターに相談するのがおすすめです。相談の際は、現場のZone分類や扱う化学物質の名前、設置したい場所の配線状況などを正確に伝えましょう。販売店に現場調査を依頼し、カメラの視野角や取り付け金具の形状、ネットワークの接続方法などをプロの目線で確認してもらうことで、設置工事の際の予期せぬトラブルの防止が期待できます。

導入前に保守サポート体制を確認しておく

防爆エリアは安全管理が厳しいため、多くの場合、カメラが故障しても作業員や修理担当者がすぐに現場に立ち入るのが難しいです。復旧に時間がかかると、その間監視の空白が生じ、業務に支障をきたす可能性があります。メーカーや販売店がどのような保守体制を提供しているかを事前に確認しておきましょう。万が一のトラブルにもすぐ対応できる体制を整えておくのがおすすめです。

専門知識のある販売店に相談したいと感じたものの、どこに問い合わせるか迷う方もいらっしゃるでしょう。カナデンでは、本記事で紹介した製品の詳細説明が可能なほか、自社の現場環境に合わせた最適な防爆カメラの選定や設置のご提案が可能です。防爆カメラの導入検討中の方は、まずはカナデンへご相談ください。

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まとめ

この記事の要点をまとめます。

  • 防爆カメラは、可燃性ガスや粉じんが存在する現場で引火・爆発を防ぐために設計された特殊な監視カメラ
  • 設備の異常検知や作業員の安全確認、計器の遠隔監視、防犯対策など、安全管理と業務効率化を両立できるメリットがある
  • 危険場所はZone0、1、2とゾーン20、21、22に分類され、区分に応じた防爆構造の製品を選ぶ必要がある
  • 日本で使用するには「構造規格」または「整合指針」の型式検定合格が必須で、可燃性物質の種類や通信方式も要確認
  • 導入時は専門販売店への正確な現場情報の共有と、故障時の保守サポート体制の確認が失敗回避の鍵

自社の現場環境に合った防爆カメラを選定し、安全で効率的な監視体制の構築に踏み出しましょう。

防爆カメラは危険場所の区分や対象となる可燃性物質の種類、型式検定への適合、通信方式、さらには設置後の保守サポートまで確認すべき点が多く、「自社の現場にどの製品が適しているのか」「何から検討を始めればよいのか」と迷う場面も少なくないのではないでしょうか。

カナデンは、複数メーカーの製品を横断的に比較しながら、現場環境や監視目的に合った防爆カメラの選定、システムのご提案をしております。「やりたいことは決まっているが、どこに相談すればよいかわからない」という段階でも問題ありません。面談や現場のウォークスルーを通じて、危険場所の区分整理から機器選定・保守体制づくりまで、まずはお気軽にご相談ください。

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執筆者:カナデン編集部

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お役立ちコラムは株式会社カナデンのデジタルマーケティング課が運営する、エレクトロニクスと技術ソリューションの情報メディアです。当編集部には、長年お客様の課題に向き合ってきた元営業メンバーも在籍しています。エレクトロニクスソリューションズ・カンパニーとしての「現場の生の声」と「確かな専門知識」を活かし、モノづくりやビジネスの現場で使える役立つ情報を分かりやすくお届けします。

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