物流の「2026年問題」とは?荷主企業に課される法的義務と求められる経営責任

2026年1月23日

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2026年4月、改正物流効率化法の完全施行により、荷主企業への「規制的措置」がいよいよ本格始動いたします。
今回の「2026年問題」の本質は、これまで運送事業者の努力に頼っていた段階から、荷主側にも厳格な経営責任を問うフェーズへ移行することにあります。 「特定荷主」に指定された場合、物流統括管理者(CLO(シーエルオー))の選任や中長期計画の提出が義務化され、対応が遅れた企業には是正勧告や罰則が科される可能性もあります。
施行まで残り約2カ月。 実務担当者の皆さまが今把握しておくべき、改正法の重要ポイントと具体的な実務対応について解説いたします。

改正物流効率化法の背景と施行スケジュール

物流は国民生活や経済活動を支える重要な社会インフラですが、現在は深刻な輸送力不足に直面しています。何も対策を講じなければ、2030年には34パーセントの輸送力が不足する可能性があると試算されています。 この事態を回避するため、「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(改正物流効率化法)」が施行されました。

施行スケジュールは以下の通り段階的に進められています。

・2025年(令和7年)4月1日:全ての荷主・物流事業者に対し、物流効率化が「努力義務」となりました。
・2026年(令和8年)4月1日:一定規模以上の「特定事業者」に対し、計画作成や報告が完全に「義務化」されます。 

現在は、努力義務の段階から義務化へと移行する非常に重要な時期にあります。 改正法では、荷主だけでなく物流事業者も協力して、わが国の物流を支える環境を整備することが求められています。

あなたの会社は大丈夫?「特定荷主」の定義と9万トンの基準

改正法では、貨物の取扱量が一定規模以上の荷主を「特定荷主」として指定し、より厳しい義務を課しています。 具体的には、年間の取扱貨物重量が「9万トン以上」の事業者が対象となる見通しです。

この基準を判断するにあたって、荷主は以下の2つの区分に分けられます。

・第一種荷主:自らの事業に関して、継続して運送事業者と運送契約を締結する者(発荷主など)。
・第二種荷主:運送契約は締結しないが、継続して貨物を運転者から受け取り、または引き渡す者(着荷主など)。

自社が運送契約を結んでいる場合はもちろん、契約主体でなくても大量の貨物を受け取っている場合は「特定第二種荷主」に該当する可能性があるため注意が必要です。 特定荷主は日本全国で上位約3,200社が該当すると推計されています。 貨物重量の算定については、実測以外にも、容積からの換算や売上額・仕入額を用いた算出など、業界の実情に合わせたさまざまな方法を選択できます。

2026年4月から義務化される「3つの重要事項」

特定荷主に指定された企業は、2026年4月以降、以下の3つの対応を怠ると勧告や命令、さらには罰則の対象となります。

  • 物流統括管理者(CLO(シーエルオー))の選任
    経営層(役員クラス)から、物流の責任者を選任して届け出る義務です。 CLO(シーエルオー)には、単なる現場管理ではなく、在庫管理、販売、調達、生産などの各部門を横断して物流を最適化する権限が求められます。 選任を怠った場合には、100万円以下の罰金が科される可能性があります。
  • 中長期計画の作成・提出
    荷待ち時間の短縮や積載効率の向上に向けた具体的な目標を盛り込んだ計画を作成し、国に提出する義務です。 計画には実施する措置の内容や目標、実施時期を明記します。 提出しない場合には、50万円以下の罰金が科される可能性があります。
  • 定期報告の提出
    毎年、物流効率化の進捗状況を国に報告する義務です。 判断基準の遵守状況をチェックリスト形式で回答するほか、荷待ち時間などの実測値を報告する必要があります。 実測については、サンプリング手法を用いた調査も許容されています。 

これらの義務化は、物流を「現場任せ」にせず、経営の最優先課題として捉え直すことを求めています。

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製造・工事業界に求められる具体的な効率化対策

荷主企業が取り組むべき具体的な措置については、国が「判断基準」を策定しています。 製造業や工事業の現場で特に重要となるのは、以下の3つの視点です。

  • 荷待ち時間の短縮
    トラック予約受付システムの導入や、混雑時間を回避した出荷・納品日時の分散が有効です。 これにより、1運行あたりの荷待ち・荷役時間を削減し、ドライバーの負担を軽減します。 
  • 荷役等時間の短縮
    パレットやカゴ車などの輸送用器具を導入し、手積み・手降ろしを削減することが推奨されています。 また、フォークリフトや荷役作業員を適切に配置し、ドライバーが運転以外の業務に費やす時間を短縮することも重要です。 
  • 積載効率の向上
    適切なリードタイムを確保し、共同配送や帰り荷の確保に取り組むことが求められます。 頻繁な少量配送を見直し、納品日を集約することで、車両1台あたりの積載量を適正化いたします。 

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まとめ:物流の持続的成長を支えるパートナーとして

「2026年問題」は、単なる法令遵守の課題ではなく、サプライチェーン全体の生産性を向上させる好機でもあります。 物流の効率化を推進することは、輸送コストの抑制だけでなく、取引先や消費者からの信頼獲得にもつながります。

特定事業者に該当するかどうかにかかわらず、全ての企業が「物流の持続的成長」を自社の課題として捉えることが、これからの時代には求められています。 国も設備投資やデジタル化に向けたさまざまな支援策を用意しており、これらを活用して一歩先を行く物流体制を構築していくことが重要です。

カナデンでは、お客様の現場に合わせた効率化ソリューションのご提案をしています。詳しくご相談されたい場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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※出典:経済産業省・国土交通省・農林水産省「改正物流効率化法の概要について」https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/logistics_kaikaku/pdf/2506_material.pdf

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