事業者が知っておきたい蛍光灯の捨て方|産業廃棄物の処分方法と業者選びのポイント

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照明の交換

事務所や工場で使用していた蛍光灯を処分する際には、所定のルールに則って正しく処分する必要があります。不適切な処分方法は罰則の対象になることから、コンプライアンスの観点からもしかるべき手順や手続方法を把握しておくことが大切です。

本記事では、蛍光灯の処分時に注意が必要な理由や、基本的な処分の流れをわかりやすく解説しています。廃棄物処理事業者の選定ポイントもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

蛍光灯の処分時に注意が必要な理由

蛍光灯がついた天井

使い終わった蛍光灯はどのように捨ててもよいものではなく、廃棄方法や手順を守って適切に処理する必要があります。蛍光灯の処分時に注意が必要とされる理由は次の3点です。

蛍光灯は一般ゴミではない

蛍光灯には水銀や蛍光塗料といった有害物質が使われています。蛍光灯を可燃ゴミとして処分することが禁止されているのは、こうした物質が健康被害をもたらすおそれがあるからです。

また、蛍光灯の安定器には、1972年(昭和47年)9月以前に製造されたものに限り、人体や環境に有害なポリ塩化ビフェニル(PCB)が含まれている場合があります。PCBは分解されにくく、長期間にわたり健康被害を引き起こすおそれがあるため、PCB含有安定器は専門の方法で適切に処理しなければなりません。

現在製造されている蛍光灯やLED照明器具の安定器にはPCBは使用されていないものの、古い蛍光灯器具を処分する際には安定器のPCB含有の有無を確認し、適切に処理する必要があります。

法人にとって蛍光灯は産業廃棄物

事業活動に伴って発生した廃棄物のうち、有害物質を含む廃棄物は産業廃棄物として扱われます。2017年に行われた廃棄物処理法改正に伴い、水銀使用製品産業廃棄物の規制が強化されました。蛍光灯は同法の規制対象となることから、事業者は自治体から許可を得ている専門業者に処分を依頼する必要があります。

これに対して、一般家庭で使い終わった蛍光灯は一般廃棄物として扱われることがあります。居住地の地方自治体が定めるルールに従って、適切に処分しましょう。

不適切な処分方法は罰則の対象になる

使用済み蛍光灯には排出責任が義務づけられています。不適切な処分は廃棄物処理法違反となり、法人には3億円以下の罰金、個人には5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科されます。

さらに、廃棄物の不適切な処置は重大なコンプライアンス違反と見なされます。事業者にとって、社会的な評価を著しく低下させる要因になりかねません。

なお、蛍光灯は段階的に生産を縮小し、2027年末までに生産終了となる予定です。今後は蛍光灯の廃棄量がさらに増えることが予想されるため、適切な処分方法への理解を深めておく必要があるでしょう。

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蛍光灯を処分する際の流れ

使用済みの蛍光灯

蛍光灯を処分する際の基本的な流れについて解説します。

1. 廃棄する蛍光灯を飛散・破損しないよう分別・保管する

廃棄する蛍光灯は誤って割ることのないよう、分別して保管しておきます。蛍光灯が割れると気化した水銀が周囲に飛散する原因となるからです。あらかじめ保管場所を定めた上で、囲いや注意書きの立て札などを設置して、関係者以外の立ち入りを禁止することをおすすめします。通常のゴミ捨て場に一般ゴミとともに放置したり、工場などで作業場所の一画に立てかけたりするのは、破損の原因となるため避けましょう。

2. 許可証を取得済みの業者に依頼する

次に、自治体から許可を得ている業者に収集運搬を委託します。蛍光灯の処分を依頼する際には、水銀使用製品産業廃棄物を取り扱える業者かどうかを確認しておくことが重要です。優良産廃処理業者として認定されているか、過去に行政処分を受けたことがないか、といった点をあらかじめ調査しておくことが大切です。

また、業者ごとに処分費用や手数料が異なります。正式に委託する前に見積もりを依頼し、費用の内訳を確認しておくのが得策です。

3. 契約を締結する

委託する業者が決定したら、廃棄物処理法に則って廃棄物処理業者と契約を締結します。委託契約書に水銀使用製品産業廃棄物に関する記載があるか、必ず確認しましょう。

4. 廃棄する蛍光灯を引き渡し、マニフェストを交付する

廃棄する蛍光灯を引き渡す際に、マニフェストを交付します。マニフェストとは、産業廃棄物の排出事業者が処理を業者へ委託した際に、産業廃棄物が適正に処理されたことを確認するための「産業廃棄物管理票」のことです。処理が完了するまでの流れを把握し、管理する役割を担っています。

紙のマニフェスト(A票、B2票、D票、E票)は、5年間保管することが排出事業者に義務づけられています。電子マニフェストに関しては、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが運営するJWNETに自動保存されるため、排出事業者側で保管する必要はありません。

廃棄物処理業者の選定ポイント

契約書

廃棄物処理業者を選定する際には、どのような点に留意すればよいのでしょうか。主な選定ポイントとして、次の4点が挙げられます。

自治体から許可を得ている事業者か

廃棄物処理業者は、自治体より許可書を取得している必要があります。無許可で営業している業者に依頼した場合、依頼した法人(排出事業者)も責任を問われるからです。

ただし、廃棄物処理法の改正前から産業廃棄物の収集運搬・処分事業を営んでいた業者に関しては、変更許可申請を行う必要がありません。したがって、依頼する際には排出事業者側で許可基準を満たしているか確認することが求められます。

マニフェストや契約書の作成に対応可能か

廃棄物処理法に則ったマニフェストおよび契約書の作成が可能かどうかも、必ず事前に確認しておきたいポイントです。マニフェストや契約書の記載事項やチェックすべき事項は多岐にわたります。作成の手間軽減や記載ミスを防ぐためにも、書類の作成も含めたプランを提供している事業者を選ぶのが得策です。マニフェストを保管する手間を考慮すると、電子マニフェストに対応している業者を選ぶのが望ましいでしょう。

廃棄物処理の実績が豊富か

廃棄物処理業者として、長年にわたって事業を運営しているかどうかも確認しておきたいポイントの1つです。自治体から優良産廃処理業者として認定されていれば、より確実でしょう。

廃棄物処理業者と一口に言っても、蛍光灯の取り扱い実績は各社まちまちです。料金プランに蛍光灯の処分に関する項目が記載されているか、過去の実績が公開されているか、といった点も加味して業者を選定することをおすすめします。

見積もりの内容に不明確な点はないか

正式に契約を交わす前に、見積もりを依頼して処理費用とその内訳、手数料の設定等を確認しましょう。見積もりの内容に不明確な点はないかチェックし、不明点は問い合わせて解消しておくことが大切です。

見積もり依頼は複数の業者に対して行い、対応の質や料金の妥当性を比較検討することをおすすめします。料金が明瞭になっているかどうかは、のちにトラブルに発展するのを防ぐ意味でも重要なポイントです。

蛍光灯の捨て方に関するよくある質問

蛍光灯は一般ゴミとして出せますか

事業活動に伴って発生した廃棄物は、一般ゴミとして出せません。産業廃棄物指定となるため、所定のルールに則って処分する必要があります。2017年の産業廃棄物処理法改正により、水銀使用製品産業廃棄物の規制が強化されました。蛍光灯も同法の規制対象となっていることから、自治体では回収・処分に対応できません。必ず専門の廃棄物処理業者に依頼しましょう。

法人が蛍光灯を処分するにはどうすればいいですか

事業活動に伴って発生した廃棄物として蛍光灯を捨てる場合、自治体から許可を得ている廃棄物処理業者に依頼しなければなりません。使用済み蛍光灯には排出責任が義務づけられており、不適切な処分を行った法人には廃棄物処理法違反として3億円以下の罰金が科されます。蛍光灯を廃棄物処理業者へ引き渡す際には、産業廃棄物が適正に処理されたことを確認するための「マニフェスト」の交付も必要です。紙のマニフェストは5年間の保管が排出事業者に義務づけられています。保管の手間を軽減したい場合は、JWNETに自動保存される電子マニフェストを活用するとよいでしょう。

廃棄物処理業者はどのような観点で選べばよいですか

廃棄物処理業者を選定する際には、自治体から許可証が発行されている事業者か、契約書・マニフェストの作成に対応しているか、廃棄物処理の実績が豊富か、見積もりの内容に不明確な点はないか、といった点をチェックしましょう。さらに、自治体から優良産廃処理業者として認定されていれば、信頼できる業者である可能性がより高まるでしょう。

適切な方法で蛍光灯を処分しよう

事務所や工場など、事業目的で使用してきた蛍光灯は産業廃棄物に該当するため、一般ゴミとして処分できません。不適切な方法による処分は廃棄物処理法に抵触することから、必ずルールに則って処分しましょう。

2027年末には蛍光灯の製造および輸出入を禁止する合意がなされており、今後は蛍光灯からLEDへの切り替えがいっそう進むと考えられます。蛍光灯のLED照明への切り替えを検討されている事業者様は、次の記事もあわせてご参照ください。

蛍光灯の適切な処分には、法令遵守やマニフェストの管理、業者選定など、事業者として押さえておくべきポイントが多数あります。不適切な処分は罰則の対象となるため、確かな知識と信頼できる専門事業者の選定が欠かせませんので、ぜひ本記事を参考にしてください。カナデンでは、LED照明への切り替えに向けた最適な提案に対応しています。照明更新に関するご相談は、ぜひお気軽にカナデンまでお問い合わせください。

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