【令和7年度】省力化・業務効率化に使える補助金・助成金とは?4つの支援制度を徹底解説

公開日:2024.05.14 更新日:2025.04.30

省力化・業務効率化

少子高齢化に伴う労働人口の減少により、多くの企業が人手不足に直面しています。特に製造業や物流業、サービス業など現場作業を伴う業界では、限られた人員で効率的に業務を遂行するため、省力化・業務効率化に向けた取り組みが不可欠となっています。

こうした背景から、業務のデジタル化(DX)やロボット・自動化機器の導入を検討する企業が増えています。

一方で、省力化や業務効率化を進めるには多額の設備投資が必要になるケースも少なくありません。このような課題に対応するため、国や自治体では、省力化や業務効率化を支援する補助金・助成金制度を用意しています。本記事では、企業の省力化やDX推進に活用できる主な補助金・助成金をまとめてご紹介します。

中小企業省力化投資補助金(省人化・自動化を支援)

中小企業省力化投資補助金は、企業の生産性向上や人手不足対策を目的として、省人化・自動化設備の導入を支援する補助金です。製造業や物流業を中心に、労働力の確保が難しい現場で、作業の自動化・無人化を推進するための機器・システムが幅広く補助対象となります。

業務負担の軽減や作業効率の向上に加え、品質の安定化や安全性向上にもつながるため、多くの企業にとって導入効果が期待できる制度です。

申請類型には、付加価値額や生産性向上に効果的な汎用製品をカタログから選択・導入する「カタログ注文型」と、事業内容や現場に応じた設備導入やシステム構築を支援する「一般型」の2種類があります。カタログ注文型は随時公募を受け付けており、いつでも申請が可能です。一般型は公募回制で年間3~4回の実施を予定しており、第1回公募は2025年3月19日(水)10時より開始予定です。

※出典:全国中小企業団体中央会「中小企業省力化投資補助金スケジュール(一般型)」https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/schedule/

対象となる設備・システム

「一般型」では、事業の特性に合わせて、さまざまな設備やシステムを導入することが可能です。補助対象となるのは、中小企業などが省力化に効果のあるオーダーメイドまたはセミオーダーメイドの設備やシステムを導入し、労働生産性の年平均成長率4%向上を目指す事業計画に取り組む場合です。機器に付帯するソフトウェアも、補助金の対象になります。

※出典:全国中小企業団体中央会「中小企業省力化投資補助金一般型ご案内チラシ」https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/shoryokuka_leaflet_ippan.pdf

補助率・補助金額

「一般型」の補助率、補助上限額について紹介します。

従業員数 補助率 補助上限額(特別措置)
5人以下 中小企業1/2、小規模・再生2/3 750万円(1,000万円)
6~20人 中小企業1/2、小規模・再生2/3 1,500万円(2,000万円)
21~50人 中小企業1/2、小規模・再生2/3 3,000万円(4,000万円)
51~100人 中小企業1/2、小規模・再生2/3 5,000万円(6,500万円)
101人以上 中小企業1/2、小規模・再生2/3 8,000万円(1億円)

大幅な賃上げを実施する「大幅賃上げ特例」が適用される場合、補助上限額が250万円~2,000万円上乗せされます。上記カッコ内の金額は、特例適用後の上限額です。

補助率は、補助金額1,500万円までが1/2または2/3、1,500万円を超える部分は1/3となります。

※2025年3月時点の情報です。

※出典:全国中小企業団体中央会「中小企業省力化投資補助金(一般型)」 https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/

カナデン補助金ヘルプデスクでは補助金を活用した設備選定や、申請に必要な情報提供、事業計画作成のサポートまで、トータルでお手伝いいたします。また、補助金の活用に適した製品も掲載しておりますので、設備導入の参考にぜひご覧ください。

カナデン取り扱いの省力化関連製品は以下のボタンからご確認いただけます。

省力化製品一覧

IT導入補助金(業務のデジタル化・効率化を支援)

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が業務の効率化や生産性向上を目的にITツールを導入する際に活用できる補助金です。

対象となるITツールは、受発注管理や会計処理、顧客管理などの日常業務から、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用した業務自動化まで多岐にわたります。

紙や手作業による業務は、時間がかかるうえにミスが発生しやすいという課題があります。これらをデジタル化することで、作業時間の短縮や業務品質の向上が期待できるため、こうした課題を解決する手段として、IT導入補助金が注目されています。

以下、活用イメージと対象経費をまとめました。

枠/類型 通常枠 インボイス枠 インボイス対応類型 インボイス枠 電子取引類型 セキュリティ対策推進枠 複数社連携 IT導入枠
活用イメージ ITツールを導入して、業務効率化やDXを推進 ITツール等を導入して、インボイス制度に対応 発注者主導で取引先のインボイス対応を促す サイバーセキュリティ対策を進める 商店街など、複数の中小企業・小規模事業者等で連携してITツール等を導入
補助対象経費 ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、保守サポート・マニュアル作成・導入後の活用支援などの導入関連費 ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、保守サポート・マニュアル作成・導入後の活用支援などの導入関連費、ハードウェア購入費 クラウド利用料(最大2年分) サイバーセキュリティお助け隊サービス利用料(最大2年分) ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、保守サポート・マニュアル作成・導入後の活用支援などの導入関連費、ハードウェア購入費

出典:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_it.pdf

対象となるツール

  • 業務管理システム
  • 会計・財務ソフト
  • 顧客管理システム(CRM)
  • RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)など

補助金額・補助率

補助額:50万円~450万円

補助率:1/2~4/5(申請枠により異なります)

申請要件

  • 中小企業・小規模事業者であること。医療法人、社会福祉法人、商工会・都道府県商工会連合会および商工会議所なども対象 ※一部大企業も申請可能
  • 「GビズIDプライム」アカウントの取得、および「SECURITY ACTION」宣言の実施
  • IT導入支援事業者との連携

申請枠・申請類型は「通常枠」、「インボイス枠(インボイス対応類型)」、「インボイス枠(電子取引類型)」、「セキュリティ対策推進枠」、「複数社連携IT導入枠」の5つに分かれています。申請受付は、2025年3月31日(月)から開始予定です。なお、実施年度や募集回によって要件等が変更になる場合があります。最新情報は必ず公式ページでご確認ください。

※2025年3月時点の情報です。

※出典:中小企業庁「IT導入補助金2025」https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_it.pdf

※出典:TOPPAN株式会社「IT導入補助金2025トップページ」https://itshien.smrj.go.jp/

カナデンでは、省力化や業務効率化に貢献するITソリューションも豊富にご用意しております。業務内容に最適なツールの選定から、導入サポートまで一貫して支援いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

カナデン補助金ヘルプデスクでは、カナデンで取り扱い可能な製品について補助金・助成金が受給できるよう、全面的にサポートいたします。

補助金に関するお問い合わせは次のヘルプデスクページよりお願いいたします。

物流施設におけるDX推進実証事業(物流DX化推進実証事業)

物流倉庫

物流施設におけるDX推進実証事業は、物流業界における業務効率化や省力化、デジタル技術の導入を支援する補助金です。物流現場では、慢性的な人手不足に加え、EC市場の拡大による物流量の増加への対応が急務となっています。こうした状況を受け、物流拠点におけるDX推進や作業工程の自動化、デジタル技術を活用した効率化に取り組む企業を支援するために創設された制度です。以下1、2を同時に実施する物流DX実証事業が補助対象となります。

  1. 物流施設におけるシステム構築・連携事業
    物流施設を保有・使用する物流関係事業者が、トラックドライバーの荷待ち・荷役の削減、施設の省人化を図るため、物流施設における、優れたシステム構築・連携を行う事業
  2. 物流施設における自動化・機械化事業
    物流施設を保有・使用する物流関係事業者が、トラックドライバーの荷待ち・荷役の削減、施設の省人化を図るため、物流施設における優れた自動化・機械化機器の導入を行う事業

対象となる設備・システム

カナデンが提供するサービスの中で、物流施設におけるシステム構築・連携事業に該当するものとして、以下が挙げられます。

倉庫管理システム(WMS)

入出庫管理から在庫管理まで、庫内物流に必要な機能を包括的にサポートし、正確かつ効率的な業務運営を実現します。誤出荷などのロスコストの削減に加え、生産性の向上、業務時間の短縮による職場環境の改善にも貢献します。

パレット自動倉庫

スムーズかつ短時間での荷の入出庫を可能にすると同時に、揺れを最小限に抑える荷にやさしい制御システムを採用しています。フォーク駆動にはサーボモータを使用し、高速化と荷くずれ防止を両立させることで、効率的で安全な保管・搬送を実現します。

補助率・補助金額

物流施設におけるDX推進実証事業の補助率および補助金額は、以下の通りです。

補助率 補助上限額
1/2 システム構築・連携の場合:1社あたり2,500万円
DX機器導入の場合:1社あたり1億1,500万円

申請スケジュール

国土交通省の令和7年度予算決定概要には、物流DXの推進に向けた、自動化・機械化機器の導入支援が盛り込まれています。令和6年度に実施された「物流施設におけるDX推進実証事業(物流DX化推進実証事業)」の公募も、引き続き実施される見込みです。

出典:国土交通省「令和7年度予算決定概要」 https://www.mlit.go.jp/page/content/001854595.pdf

2024年度の物流施設におけるDX推進実証事業の公募は3回実施され、受付期間は1次が4月15日~4月19日、2次が5月17日~5月31日、3次が11月12日~11月22日でした。本年度も公募が行われる場合、昨年と同様のスケジュール、またはそれより早まる可能性があります。

申請は、事業者の公募から始まり、計画づくり、審査、交付申請を経て補助事業を進める流れとなります。計画づくりの際は、事務局のサポートを受けながら専門家と一緒に内容の磨き上げができます。補助金を受けた後は、事業の成果を確認し、報告することが求められるため、しっかりと準備を進めることが大切です。

2024年は4月から公募が開始されているため、該当するシステムの導入や補助金申請を検討している方は、4月前から準備を進めることをおすすめします。

出典:国土交通省「物流施設におけるDX推進実証事業」https://butsuryudx.go.jp/

※2025年3月時点の情報です。

※実施年度や公募回によって要件等が変更になる場合があります。最新情報は必ず公式ページでご確認ください。

カナデンでは、物流施設のDX推進を支援する製品やシステムを取り扱っております。補助金を活用した設備導入についても、申請から導入まで丁寧にサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

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業務改善助成金(人件費削減・労働環境改善を支援)

業務改善助成金は、中小企業や小規模事業者を対象に、業務効率の改善や生産性の向上を目的とした設備投資を支援する制度です。事業場内最低賃金を30円以上引き上げて、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その設備投資等にかかった費用の一部が助成されます。

2024年(令和6年)の交付申請の受付は、2025年1月31日で終了しておりますが、厚生労働省の受付は毎年4月に開始されます。業務効率化を図り労働者の賃金改善を検討されている方はこちらの助成金を活用してみてはいかがでしょうか。

対象となる施策

生産性向上、労働能率の増進に資する設備投資等とともに、賃金の引上げを行う

《設備投資の例》機械設備導入、コンサルティング、人材育成・教育訓練など

助成率・助成上限額

申請を行う事業場の引き上げ前の最低賃金に応じて、助成率が異なります。最低賃金が1000円未満の場合は助成率4/5、1000円以上の場合は3/4となります。

助成上限額は、引き上げる最低賃金額および引き上げる労働者の人数によって変わります。

引き上げる労働者数 引き上げ額30円以上 引き上げ額45円以上 引き上げ額60円以上 引き上げ額90円以上
1人 30万円(60万円) 45万円(80万円) 60万円(110万円) 90万円(170万円)
2~3人 50万円(90万円) 70万円(110万円) 100万円(160万円) 150万円(240万円)
4~6人 70万円(100万円) 100万円(140万円) 150万円(190万円) 270万円(290万円)
7人以上 100万円(120万円) 150万円(160万円) 230万円 450万円
10人以上 120万円(130万円) 180万円 300万円 600万円

上記カッコ内の金額は、事業場規模30人未満の事業者の上限額です。 引き上げる労働者数10人以上の上限額区分は、賃金要件または物価高騰等要件を満たす事業者である「特例事業者」のみ選択できます。

対象者の要件

  • 中小企業・小規模事業者であること
  • 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること
  • 解雇や賃金引き下げなど、不交付事由に該当しないこと

補助対象となる設備には、作業効率を高める生産設備や業務管理システムに加え、配膳ロボットなども含まれます。

出典:厚生労働省「令和7年度予算案の主要事項」https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/25syokanyosan/dl/01-02.pdf

出典:厚生労働省「業務改善助成金」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html

出典:厚生労働省「(A4印刷用リーフレット)業務改善助成金のご案内」https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001362708.pdf

※2025年3月時点の情報です。

※実施年度によって要件等が変更になる場合があります。最新情報は必ず公式ページでご確認ください。

カナデンでは、助成金の対象となる製品・システムのご提案を行っています。導入相談から申請サポートまで、ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

企業の生産性向上や人手不足対策を進めるには、省力化や業務効率化を支援する補助金・助成金の活用が欠かせません。

各制度ごとに対象設備や補助内容、申請要件が異なるため、自社に最適な制度を選び、効果的に活用しましょう。最新の公募情報や詳細な要件は、必ず公式サイトでご確認ください。

補助金の活用や導入製品に関するご相談は、「カナデン補助金ヘルプデスク」へお気軽にお問い合わせください。

カナデン補助金ヘルプデスクでは、カナデンで取り扱い可能な製品について補助金・助成金が受給できるよう、全面的にサポートいたします。

補助金に関するお問い合わせは次のヘルプデスクページよりお願いいたします。

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