【令和8年度】非常用電源の導入時に使える補助金とは?補助基準額や適用条件を解説

非常用電源

災害時でも継続して事業を行うには、電気やガスなどのライフラインの確保が欠かせません。東日本大震災をきっかけに、災害時でも事業の継続や早期復旧に向けて対策を強化する企業が増えています。

本記事では、非常用電源設備の導入を検討している企業の経営幹部の方や管理担当の方へ向けて、導入時に活用できる補助金制度を解説します。各種補助金制度の補助基準額や適用条件なども詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

※2026年3月時点の情報です。

非常用電源の導入が求められている背景

非常用電源の導入に関する補助金制度を設置していることからも分かるように、政府は国を挙げて非常用電源の普及に力を入れています。まずは、非常用電源の導入がなぜ重要なのか、背景を詳しく解説します。

日本の災害が増えている

内閣府の『防災情報のページ』によると、日本は地形や地質、気象などの自然的な条件から見ても災害が発生しやすい国土とされています。主な自然災害は、台風や地震、津波、火山噴火などです。

内閣府の『令和7年版 防災白書』には、自然災害が起こった際の緊急避難場所をはじめとする、具体的な災害対策が記載されています。緊急避難場所は、人命の安全確保を目的とした緊急時に非難できる施設や場所のことです。災害時に設置される緊急避難場所には非常用電源の設置が必要で、導入に関する補助金制度を活用できます。

※出典:内閣府「災害を受けやすい日本の国土:防災情報のページ」https://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/h18/bousai2006/html/honmon/hm01010101.htm#

※出典:内閣府「令和7年版 防災白書|第1部 第1章 第2節 2-3 指定緊急避難場所と指定避難所の確保:防災情報のページ」https://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/r07/honbun/1b_1s_02_03.html

災害時の被害拡大防止が求められている

大規模な災害が起こると、道路が陥没して車が走れなくなったりライフラインが途絶えたりと、甚大な被害が発生する恐れがあります。実際に東日本大震災では、東北電力管内を中心に広く停電が発生し、その後の完全復旧までに3カ月近くかかりました。災害時に暖房や冷房、調理などを継続させて人命を守るには、非常用電源の設置が不可欠です。

災害が起こる時期を正確に予測するのは難しく、労働者を抱える企業や団体は、災害対策を行う必要があります。政府は災害対策で非常用発電機を導入する企業のために、補助金を準備しています。

BCP対策が求められている

BCPとは、Business Continuity Planの頭文字を取った略語で、事業の継続計画を意味する言葉です。BCPは災害時などの緊急事態に自社の損害を抑え、事業の継続または早期復旧を目指すための方法や、手段をまとめた計画を指します。

内閣府は、災害時でも特定の重要業務が中断しないように対策を練り、万が一事業が継続できなくても早期復旧を実現できる体制を整えておくことを推奨しています。例えば、社内システムの復旧には電力の確保が必要なため、発電機の導入を計画に盛り込むことなどです。

※出典:内閣府「知る・計画する:防災情報のページ」https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/keizoku/sk.html

カナデン取り扱いの非常用電源は以下のボタンからご確認いただけます。

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非常用電源の導入に使える補助金

事業継続計画

企業が非常用電源の導入に当たって活用できる補助金は、主に2つあります。それぞれの補助金がどのような制度なのかを把握するためにも、補助金制度の目的や概要などを詳しく解説します。

1.災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金(略称:自衛的燃料備蓄補助金)

経済産業省が運用する『災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金』を解説します。

※2026年3月時点の情報です。

目的・概要

『災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金』は、災害対策として石油製品タンクを導入したり、施設に石油ガス災害バルクの設置を行ったりする民間団体などを募集し、対象者に設置費用の一部を助成する事業です。避難者や避難困難者が集まる施設のインフラ確保を促進するための、資金面でのサポートを目的としています。

補助金の対象施設は医療施設や福祉施設、公的避難所などの災害時に指定された避難所、避難先になり得る施設、避難困難者がいる施設です。補助金の対象設備は、非常用発電機や石油製品タンク、LPガス災害バルクなどが挙げられます。

LPガス災害バルクとは、日常生活でも利用できる、バルク貯槽と供給設備が一体となった設備を指します。

ここでは、令和6年度補正・令和7年度の事業を実施した「一般財団法人エルピーガス振興センター」の情報をもとに、適用条件や補助額を紹介します。

※2026年3月時点の情報です。

適用条件・補助基準額

補助金の適用条件は、以下のとおりです。

  1. 補助金の対象となる施設を所有または運用・管理し、「LPガス災害バルク等」を購入またはリース、あるいは賃貸等を受けて設置している、または「石油製品タンク等」を購入して設置している
  2. 「LPガス災害バルク等」または「石油製品タンク等」を購入し、補助金の対象となる施設の所有者または運用・管理者にリースして設置している
  3. 中小企業として申請する場合には、申請者(共同申請者)が業務方法書第3条第6項の規定に該当すること。申請時には直近3年度分の課税所得額が確認出来る書類と株主構成を確認出来る書類を提出すること
  4. 申請者が個人の場合は、直近2か年分の納税証明書と事業内容を確認出来る書類を提出すること

補助金の交付額は、税抜きの補助対象経費に補助率を乗じた金額となります。また、導入する設備の組み合わせに応じて、上限額が変動します。

交付限度額
  1. 石油ガス災害バルク等
    • ① LPガスを貯蔵する容器と供給設備のみ:1,000万円
    • ② 上記①+補助対象LPガス設備(次の③を除く):3,000万円
    • ③ 上記①+発電機(コジェネレーション含)+空調機器:5,000万円
  2. 石油製品タンク等
    • ① 石油製品を貯蔵する容器のみ:1,000万円
    • ② 石油製品を貯蔵する容器+当該設備に接続する燃焼機器及び発電機:5,000万円
補助率
  • 補助対象経費の1/2以内(ただし、災害発生時に避難場所まで避難することが困難な者が多数生じる施設のうち、業務方法書第3条に該当する中小企業者の実施する事業は、2/3以内)
補助金の支払い 事業終了後(例外有)
申請期間

令和6年度補正:
1回目:2025年5月7日~5月19日
2回目:2025年6月25日~7月7日
3回目:2025年7月25日~8月7日
4回目:2025年8月21日~9月2日
5回目:2025年9月18日~9月25日

令和7年度:
1回目:2025年5月23日~6月4日
2回目:2025年7月25日~8月7日
3回目:2025年9月18日~9月25日

令和7年補正・令和8年度:未発表

なお、中小企業の定義は、中小企業基本法が準用されます。中小企業庁のホームページで確認可能です。

※2026年3月時点の情報です。

申請方法

補助金の申請は次の手順で進めます。

  1. 自衛的燃料備蓄補助金ホームページから申請書類をダウンロードし、「燃料備蓄申請書類」に必要事項を入力
  2. 申請書類とその他必要書類を、jGrantsのリンクまたは補助金ホームページの「補助金申請手続き」ページのリンクからDropboxを利用して提出

申請書類の提出には、ファイルの保管や共有を行えるDropboxを利用するため、操作方法を把握しておくことが大切です。申請受付の締め切り時間を過ぎるとDropboxは期限切れとなり提出ができなくなりますのでご注意ください。

申請書類の提出後は、一般社団法人エルピーガス振興センター内で書類審査が行われます。修正が必要な場合は修正依頼のメールが届きます。

※2026年3月時点の情報です。

カナデン補助金ヘルプデスクでは、カナデンで取り扱い可能な製品について補助金・助成金が受給できるよう、全面的にサポートいたします。補助金に関するお問い合わせは次のヘルプデスクページよりお気軽にご相談ください。

※出典:経済産業省「令和7年度補正「災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金(災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業のうち石油製品タンク等の導入に要する経費を助成する事業及び石油ガス災害バルク等の導入に要する経費を助成する事業)」に係る補助事業者(執行団体)の公募について」https://www.enecho.meti.go.jp/appli/public_offer/2025/0115_01.html

※出典:経済産業省「令和8年度「災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金(災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業のうち石油製品タンク等の導入に要する経費を助成する事業及び石油ガス災害バルク等の導入に要する経費を助成する事業)」に係る補助事業者(執行団体)の公募について」https://www.enecho.meti.go.jp/appli/public_offer/2025/0115_02.html

※出典:一般財団法人エルピーガス振興センター「災害バルク 申請ガイドブック」https://saigaibulk.net/pdf/2025_guidebook.pdf

※出典:一般財団法人エルピーガス振興センター「令和6年度補正予算・令和7年度 自衛的燃料備蓄補助金(LPガス災害バルク・石油製品タンク等)」https://saigaibulk.net/submission/index.html

※出典:中小企業庁「中小企業・小規模企業者の定義」https://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.html

※出典:一般財団法人エルピーガス振興センター「令和6年度補正予算・令和7年度 自衛的燃料備蓄補助金(LPガス災害バルク・石油製品タンク等)申請の手引き」https://saigaibulk.net/dl/dl/document03.pdf?day=20240606

ニシハツ株式会社 三相非常用自家発電装置 消防法の自家発電設備基準に適合。情報通信分野の予備電源に最適。

三菱電機株式会社 非常用自家発電設備 三菱電機の発電機・制御機器を組み合わせた非常用自家発電設備

2.BCP実践促進助成金

災害対策支援の一環として、自治体でもさまざまな制度が設けられています。今回は、公益財団法人東京都中小企業振興公社が運用する『BCP実践促進助成金』を紹介します。

※2026年3月時点の情報です。

目的・概要

BCP実践促進助成金は、企業が策定したBCPを遂行するために必要となる、物品や設備の導入費用の一部を助成する制度です。BCPの策定や緊急事態時の対策用品の備蓄を目的としています。申請の種類として、1事業者が単独で使用する「単独型」と、複数事業者間で共用する「連携型」の2つが設定されています。

助成金は物品や設備だけでなく、防災力を強化するための基幹システムのクラウド化にかかる経費の一部も対象に含まれます。助成金を申請できるのは、BCPを策定して実践に必要な物品や設備などを導入する中小企業です。ただし、特定非営利活動法人や財団法人、医療法人といった団体は、助成金の対象から外れます。

※2026年3月時点の情報です。

適用条件・補助基準額

単独型と連携型で適用条件が異なります。

【単独型】

  • 申請日時点で中小企業者、中小企業団体、個人事業主、または小規模企業者に該当していること
  • 公社が実施するBCP策定支援事業による支援をうけている、もしくは、中小企業庁「事業継続力強化計画」の認定を受けていること
  • 次のいずれかの要件を満たすBCPを提出できること
    1. 2017年度以降に公益財団法人東京都中小企業振興公社 総合支援課(公社)が実施するBCP策定支援事業の支援を受け、受講内容に従って作成したBCP
    2. 中小企業強靭化法の『事業継続力強化計画』として認定を受け、その内容に基づいて作成したBCP
    3. 2016年度以前の東京都または公社が実施したBCP策定支援事業を活用して作成したBCP

【連携型】

  • 申請日時点で代表者および参加者が中小企業者、中小企業団体、または個人事業主に該当し、中小企業強靭化法の『連携事業継続力強化計画』の認定を受け、かつ、その内容に基づくBCPを提出できること

なお、いずれの型においても、BCPには、実践に用いる物資の品名、個数、設置場所および導入理由を明記する必要があります。

補助基準額などは以下のとおりです。

補助基準額

【単独型】

  • 中小企業者など:対象経費の1/2以内
  • 小規模企業者:対象経費の2/3以内
  • 助成額:10~1,500万円(基幹システムのクラウド化の助成上限額450万円)

【連携型】

  • 助成率:対象経費の1/2以内
  • 助成額:10~1,500万円(基幹システムのクラウド化の助成上限額450万円)
助成金の支払時期 事業完了報告後、完了検査を経て助成金確定後
申請期間 2026年3月現在の募集は終了

2025年は公募が3回実施され、申請期間は第1回が5月14日~5月20日、第2回が9月10日~9月17日、第3回が2026年1月7日~1月14日でした。いずれも申請エントリーおよび電子申請の受付期間は約1週間と短期間で設定されています。本年度も同様のスケジュールとなる可能性があるため、申請を検討している場合は早めに準備を進めておくことが重要です。

※2026年3月時点の情報です。

申請方法

申請は以下の手順で進めます。

  1. 公社の公式ホームページから募集要項をダウンロードし、内容を確認する
  2. 【単独型】BCP策定支援事業(BCP策定講座・BCP策定コンサルティング)による支援、または事業継続力強化計画の認定のいずれかを受ける
    【連携型】連携事業継続力強化計画の認定を受ける
  3. BCP策定を行う
  4. 申請に必要な書類を公社の公式ホームページからダウンロードする
  5. 申請書を作成し、添付が必要な書類を用意する
  6. 申請エントリーを行う
  7. Jグランツで申請書類を電子申請する

申請エントリーは助成金の申請を行う上で必須条件です。公社の公式ホームページからネットクラブ会員登録を行い、助成金の申請エントリーを進めましょう。申請に必要な書類の提出は、Jグランツを活用した電子申請に限られます。Jグランツを利用するには、GビズIDの発行が必要です。GビズIDの発行には2~3週間かかるため、申請の締切日に間に合うように事前登録を済ませましょう。

※2026年3月時点の情報です。

※出典:公益社団法人 東京都中小企業振興公社「BCP実践促進助成金」https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/bcp.html

※出典:公益社団法人 東京都中小企業振興公社「BCP実践促進助成金 チラシ」https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/rmepal0000023lo1-att/r7_bcp_pf.pdf

非常用電源の補助金活用で災害に備えよう

非常用電源

大災害が発生するとライフラインが途絶える恐れがあるため、災害時でも事業を継続するには非常用電源を導入し、電力を確保することが大切です。企業が非常用電源を導入する際に活用できる補助金には、政府が実施するものと、自治体が独自に提供するものがあります。目的に合わせて自社に適した補助金を選ぶことで、導入費用を軽減できるでしょう。

カナデン補助金ヘルプデスクは、補助金の最新情報の共有や申請サポートに対応しています。自社に合った補助金を知りたい場合や補助金の申請方法が分からない場合は、ぜひカナデン補助金ヘルプデスクへご相談ください。

補助金に関するお問い合わせは次のヘルプデスクページよりお願いいたします。

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