デジタルサイネージの種類と特徴・選び方をわかりやすく解説

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デジタルサイネージを指さす男性

デジタルサイネージとは、商業施設や公共施設にディスプレイを設置し、映像や静止画を表示して情報を伝える仕組みのことです。一口にデジタルサイネージといっても、さまざまな種類があることをご存知でしょうか。

この記事では、デジタルサイネージの主な種類とそれぞれの特徴とメリット・デメリットをわかりやすく解説しています。目的に合ったデジタルサイネージの選び方もあわせて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

デジタルサイネージの種類

デジタルサイネージの主な種類

デジタルサイネージの主な種類として、次の4タイプが挙げられます。

  1. スタンドアロン型
  2. ローカルネットワーク配信型
  3. クラウド型
  4. インタラクティブ型

まずは、それぞれどのような仕組みになっているのかを確認しておきましょう。

1. スタンドアロン型

スタンドアロン型とは、ネットワークに接続することなく、機器単独で運用できるタイプのデジタルサイネージのことです。USBメモリやPCなどに保存された映像や静止画を表示する、シンプルな仕組みになっています。

表示できるコンテンツは保存済みのものに限られるとはいえ、リピート再生機能を活用して映像を繰り返し再生したり、スライドショー機能で複数の静止画を切り替えて表示したりすることも可能です。

2. ローカルネットワーク配信型

ローカルネットワーク配信型とは、組織内のローカルネットワークを利用してコンテンツを配信するタイプのデジタルサイネージのことです。配信するコンテンツを管理用のPCなどで一括管理できます。

たとえば、複数のディスプレイを設置している場合や、多拠点でデジタルサイネージを運用しているような場合も、管理用PC上の操作のみでコンテンツの入れ替えが可能です。機器が設置されている現地まで出向くことなく、運用・管理できる点がスタンドアロン型と異なります。

3. クラウド型

クラウド型とは、クラウドサービスを利用してコンテンツを配信するタイプのデジタルサイネージのことです。デジタルサイネージの運用に特化したサービスを利用することで、配信管理を手軽に行えます。

ローカルネットワーク配信型はローカルネットワークを利用するのに対して、クラウド型はインターネット接続が必須となる点が大きな違いです。また、クラウドサービスの利用料がかかる点もクラウド型デジタルサイネージの特徴といえます。

4. インタラクティブ型

インタラクティブ型とは、ユーザーの操作に従って表示内容が遷移していくタイプのデジタルサイネージのことです。一般的に「タッチパネル」と呼ばれるタイプをはじめ、モーションセンサーでユーザーの動作やしぐさを感知するタイプのものなどがあります。

近年はスマートフォンが広く普及しているため、「画面に触れて操作する」ことに慣れている人も増えています。ユーザーごとに求める情報が異なることが想定される場合も、必要な情報を効率よく提供できる点が特徴です。

デジタルサイネージが活用されている場所や設置する際の注意点については、次の記事で解説していますので参考にしてください。

▶デジタルサイネージとは?モニターとの違いや導入メリット・広告効果をわかりやすく解説

スタンドアロン型の特徴とメリット・デメリット

ここからは、デジタルサイネージの種類ごとに特徴やメリット・デメリットを見ていきます。

スタンドアロン型の最大の特徴は、ネットワークを必要としない点です。USBメモリやSDカード、PCに接続するだけで、保存されたコンテンツを表示できます。リピート機能やスライドショー機能を活用して、コンテンツを繰り返し再生・表示することも可能です。

メリット

  • 本体のみ設置するだけですぐに利用できる
  • 配線やネットワーク構築の手間がかからない
  • スタンドを活用すれば設置工事も不要

スタンドアロン型のメリットとして、シンプルに設置・運用できる点が挙げられます。本体と記憶媒体さえあれば映像や静止画を表示できるため、最短で即日運用を開始することも可能です。USBメモリなどに保存されているコンテンツを変更すれば、表示するコンテンツを即座に入れ替えられます。

デメリット

  • 表示できるコンテンツに制限があるケースが多い
  • コンテンツを差し替えるには機器が設置されている現場に赴く必要がある

スタンドアロン型の場合、対応している表示形式が限られているケースが少なくありません。一例として、「画面を二分割して映像と静止画を表示したい」といった複雑な画面構成にはできない場合があります。また、表示するコンテンツを変更するには、機器が設置されている現場に赴いてUSBメモリなどを回収しなければなりません。設置台数が多い場合や、多拠点で運用したい場合などには、かえって運用に手間がかかることが想定されます。

ローカルネットワーク配信型の特徴とメリット・デメリット

ローカルネットワーク配信型の場合、デジタルサイネージを有線LANやWi-Fiに接続して使用します。管理用PC上の操作によって表示内容を変更できる点が、スタンドアロン型との大きな違いです。

メリット

  • 表示するコンテンツを手軽に差し替えられる
  • クローズドなネットワークを利用するため、セキュリティリスクが低い
  • 複数の機器設置や、多拠点での運用がしやすい

管理用PCでコンテンツを一元管理できるため、機器が設置されている現地に赴くことなく表示内容を変更できます。また、インターネット接続を必要とせず、社内ネットワークで完結することから、セキュリティリスクを抑えられる点もメリットです。とくに何台ものデジタルサイネージを運用したい場合や、多拠点に設置した機器を一括管理したい場合に適しています。

デメリット

  • 運用担当者が必要になる
  • 社内サーバの構築や保守管理、初期設定が不可欠

管理用PCによるコンテンツの一元管理が可能になることは、運用担当者の負担や責任が重くなることと表裏一体です。PC操作1つで全機器の表示内容が変更されるため、計画的かつ慎重に運用しなければなりません。デジタルサイネージの運用担当者を決めておく必要があるでしょう。また、自社サーバで運用する以上、サーバの保守管理は自社で責任をもって行う必要があります。デジタルサイネージの導入に際しては初期設定が必要になることから、技術的な知識のある人材が欠かせません。

クラウド型の特徴とメリット・デメリット

クラウド型の場合、デジタルサイネージの運用に特化したクラウドサービスを利用します。サービス事業者が提供している配信管理画面などを利用することになるため、自社で構築すべき仕組みを最小限に抑えられる点が特徴です。

メリット

  • 自社サーバの設置が不要
  • 複数のディスプレイを一括管理できる
  • 操作が直感的でわかりやすいサービスもある

インターネットを介してサービス提供事業者のシステムを利用するため、自社サーバを独自に設置・管理する必要がありません。クラウドサービスに申し込むだけで、基本的にはすぐにデジタルサイネージの運用を始められます。また、利用するサービスによっては直感的でわかりやすいUIを備えているものもあります。こうしたサービスを活用することで、配信スケジュールの設定やコンテンツのアップロードなどの操作を手軽に行えるでしょう。

デメリット

  • サービス利用料が継続的にかかる
  • サービス側の不具合などにより配信停止を余儀なくされることがある

一般的なクラウドサービスと同様、デジタルサイネージの運用サービスにも利用料がかかります。デジタルサイネージを利用し続ける限り、月額や年額の利用料がかかる点はデメリットの1つです。また、クラウドサービス側で何らかの不具合が発生した際には、一時的にコンテンツを配信できなくなるおそれがあります。復旧するタイミングはサービス提供事業者の対応しだいとなるため、自社側でコントロールできない点もデメリットになり得るでしょう。

インタラクティブ型の特徴とメリット・デメリット

デジタルサイネージに触る指

インタラクティブ型は、ユーザーが求める情報を操作に応じて表示する機能を備えています。大型タブレットの画面を操作するような感覚で、必要な情報を効率よく得られる点が特徴です。

メリット

  • ユーザーが知りたい情報を自ら探せる
  • 多言語対応がしやすい
  • 操作履歴をデータとして活用できる

ユーザーが自ら操作して情報を探せるため、求める情報をスピーディーに知りたいユーザーにとって大きなメリットがあります。また、表示言語の切り替えに対応しているモデルであれば、日本語以外の表示にも即座に対応可能です。インバウンド需要に応えたい事業者様にとっては、とくに重要なメリットとなるでしょう。

さらに、ユーザーによる操作の履歴が蓄積されていくため、これらのデータを分析することで店舗運営の改善などに役立てられます。ユーザーのニーズや消費者行動などを分析したい事業者様におすすめです。

デメリット

  • ランニングコストがかかるケースが多い
  • 初期費用が高くなる可能性がある
  • 適切な画面遷移を構築する必要がある

インタラクティブ型デジタルサイネージの多くは、サービス利用料やネットワーク使用料などが継続的にかかる料金体系になっています。そのため、導入後もランニングコストがかかる点を理解しておく必要があるでしょう。また、タッチパネル機能を備えたディスプレイが必須となることから、初期費用も高くなりやすい傾向があります。費用対効果を慎重に見極めることが大切です。

また、ユーザーの操作に応じてどのように画面を遷移させるのかを入念に設計しなければなりません。求める情報に到達できなかったり、操作が複雑でわかりにくいと感じたりすることのないよう、シンプルでわかりやすい分岐構成にすることが求められます。

デジタルサイネージの基本構成や導入時の準備物、ディスプレイサイズの選び方については、次の記事で詳しく解説していますのでぜひご参照ください。

▶デジタルサイネージの仕組みと活用メリット、導入の流れをわかりやすく解説

目的に合ったデジタルサイネージの選び方

セレクトするイメージ

ここまでに解説してきたデジタルサイネージの種類とそれぞれの特徴を踏まえて、目的に応じた選び方をまとめました。自社や自店舗にとって最適なデジタルサイネージを見極める際に役立ててください。

スタンドアロン型がおすすめのケース

  • 設置予定台数が限られている場合
  • コンテンツを頻繁に更新する必要がない場合
  • できるだけコストを抑えて設置したい場合

スタンドアロン型はシンプルな仕組みのため、低コストでスピーディーな導入が可能です。大がかりなシステムを構築する予定がない場合や、1台だけ導入するような場合に適したデジタルサイネージといえます。

たとえば、「オフィスの会議室に毎月の目標を固定表示したい」「単独店舗に1台設置したい」といったケースでは、スタンドアロン型がおすすめです。

【製品紹介】

ローカルネットワーク配信型がおすすめのケース

  • 既存の社内ネットワークがある場合
  • 複数のディスプレイを一元管理したい場合
  • 表示内容をタイムリーに切り替えたい場合
  • セキュリティを重視したい場合

ローカルネットワーク配信型は社内ネットワークへの接続が必要になるため、既存のネットワークを利用できる場合には比較的導入しやすいタイプのデジタルサイネージといえます。店舗内に設置された複数のディスプレイを一元管理したい場合や、表示するコンテンツを曜日や時間帯によって切り替えたい場合は、ローカルネットワーク配信型が便利です。また、自社のセキュリティポリシーにクラウドツールが適合しないようなら、ネットワーク型の導入を検討してみるとよいでしょう。

クラウド型がおすすめのケース

  • 社内ネットワークが未整備の場合
  • 複数のディスプレイを手軽に一元管理したい場合
  • 初期費用を抑えて運用を開始したい場合

クラウド型はインターネットを介してサービス提供事業者のシステムを利用するため、小規模な導入から大規模な導入まで対応可能です。社内ネットワークが整備されていない店舗はもちろんのこと、多拠点で一斉にデジタルサイネージを導入したい場合にも適しています。また、初期費用が抑えられる傾向があることから、導入時のコストを抑えたい場合にもおすすめです。

【製品紹介】

インタラクティブ型がおすすめのケース

  • インフォメーション窓口などの人員削減を図りたい場合
  • 施設マップの案内や決済などに利用したい場合
  • ユーザーニーズを詳細に把握したい場合

インタラクティブ型はユーザー自身が操作して必要な情報を閲覧できるため、従来は有人対応が必須だった案内や決済処理を無人化・省人化したい場合に適しています。役所などの受付端末や商業施設のフロアマップをはじめ、店舗等の決済端末として導入したい場合におすすめです。また、ユーザーニーズの分析に役立つデータを収集したい場合にも効果的な仕組みといえます。

【製品紹介】

目的に合わせてデジタルサイネージの種類を選ぼう

デジタルサイネージにはいくつかの種類があり、適した利用シーンがそれぞれ異なります。各タイプの特徴とメリット・デメリットを押さえた上で、施設や店舗の課題解決につながるデジタルサイネージを選ぶことが大切です。今回紹介した4種類のデジタルサイネージの特徴を参考に、目的に合ったタイプの端末を選びましょう。

カナデンでは、ご紹介した製品のほか、運用目的やターゲットに最適なデジタルサイネージをご提案しています。自社の目的に合ったデジタルサイネージの選び方についてお悩みの事業者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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