衛生管理とHACCPの基本!工場が取り組むべき一般衛生管理のポイントと導入手順

2026年6月5日

業界トレンド・製品解説

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食品工場での作業

2021年6月から、すべての食品等事業者を対象にHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が義務化されました。食品製造業の現場管理者はもちろん、工場の結露対策や防鼠防虫設計を行う工事業者にとっても、HACCPの正確な知識は不可欠です。

本記事では、HACCPの基本概念から、土台となる一般衛生管理のポイント、具体的な導入手順までを分かりやすく解説します。専門用語をできるだけ噛み砕いて説明しますので、現場の衛生環境づくりに役立ててください。

HACCP(ハサップ)とは?衛生管理の基本と義務化の正しい対象

工場で検査する人

HACCPの仕組みと従来の抜き取り検査との違い

HACCPとは、原材料の受け入れから出荷までの全工程で「お腹を壊す原因」などの危険を分析し、特に大切な工程を連続して監視・記録する衛生管理手法です。また製品の安全性を工程ごとに保証できる国際基準です。

一部を調べる従来の「抜き取り検査」では不良品の流出リスクを排除できませんでしたが、工程全体を可視化して重要ポイントを連続監視するHACCPでは、不良品の出荷を高い精度で防げます。

法的な義務化対象と事業者の区分

HACCPは、食品や添加物の製造・加工・販売などを行うすべての食品等事業者が対象です。

食品衛生法の規定では、食品等従事者数50名以上の「一般事業者」はCodex(コーデックス:国際基準)の7原則12手順の適用が必要です。50名未満の「小規模事業者」は、業界団体の手引書に沿った簡略化アプローチが認められます。なお、常温長期保存包装食品の販売業など、リスクが極めて低い特定の5業種は、計画作成や保存の義務が免除されます。

HACCPの土台となる「一般衛生管理」と5S活動のポイント

食品工場

1.作業員の衛生管理と加熱しても消えない食中毒のリスク

作業員の衛生管理徹底は、食品への異物混入や菌の付着を防ぐために重要です。人の手や衣服が有害な微生物を持ち込む原因となるため、手洗いや服装のルール化が必要です。

特に注意すべきは、人の皮膚に常在する「黄色ブドウ球菌」です。菌自体は75℃・1分以上の加熱で死滅しますが、増殖時に産生される毒素「エンテロトキシン」は強固な耐熱性を持ち、100℃で20〜30分加熱しても失活しません。蓄積された毒素は加熱で除去できないため、手洗いやマスクによる初期汚染防止と、10℃以下の冷蔵保存による増殖抑制が不可欠です。

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2.施設・設備管理における5S活動と具体的な法的基準

施設や設備を常に清潔に維持するためには、一般衛生管理の基盤となる「5S活動」の徹底が必要です。設備の汚れやゴミはカビや害虫の発生源となり、品質低下を招くためです。

5Sの「しつけ」は罰則ではなく、英語の「Sustain(サステイン:維持する)」の通り、従業員が自主的にルールを習慣化する風土づくりを指します。また、井戸水等の自己水源使用時は「年1回以上」の水質検査が義務です。ねずみ・昆虫対策も「年2回以上」の駆除や生息調査を行い、結果を記録します。

3.食品の適切な取り扱いと交差汚染の防止

食品の適切な取り扱いや交差汚染の防止は、食中毒リスクを下げるために不可欠です。加熱前の原材料と加熱後の製品が接触したり、不適切な温度帯に放置されたりすると、細菌の二次汚染や増殖が発生するためです。

対策として、生の食材を扱うエリアと製品を梱包するエリアを物理的に分ける「ゾーニング」を行い、器具の使い分けを徹底します。プロセスに応じた温度管理を徹底することで交差汚染のリスクを排除できます。

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Codex 7原則12手順に基づくHACCP導入の手順

HACCP7原則12手順

事前準備における「製品説明書」の重要性

HACCPシステムを構築する際は、国際基準が策定した「7原則12手順」に完全に依拠する必要があります。手順を簡略化して準備段階をスキップすると、システムそのものが形骸化するためです。

特に手順2の「製品説明書」の作成は重要です。製品説明書には、水分活性(すいぶんかっせい:食品中の微生物が利用できる水分の割合)やpH、添加物等の情報を文書化します。これらは危害要因分析で「どの細菌が増殖し得るか」を客観的に判断する必須パラメータとなるため省略できません。

危害要因分析と重要管理点の設定・定期的な見直し

事前準備の5手順を終えたら、実際の運用である「HACCPの7原則」へと進みます。すべての工程を個別に監視するのは現実的ではないため、危険な工程に絞ってリソースを集中させる必要があるためです。

製造工程図(フローダイヤグラム)をもとにリスクを洗い出す危害要因分析を行います。その中から加熱や冷蔵など安全確保に不可欠な工程を「重要管理点(CCP)」に指定し、管理基準となる数値を定めて監視します。HACCP計画は、仕様変更や新機導入に合わせて「およそ半年に1回」を目安に定期的な見直しを行うことが推奨されています。

設備投資によるヒューマンエラーの防止

HACCPに沿った衛生管理を継続するためには、日々のチェックや記録作業を正確に行う必要があります。人の手による管理には限界があり、見落としなどのヒューマンエラーのリスクがあるためです。

例えば、温度の計測や記録を自動で行うIoTセンサを導入すれば、手書きの手間を削減できます。また、換気設備を充実させることで、汚染そのものを発生させない仕組みを作ることができます。

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まとめ

HACCPに沿った衛生管理は、義務化への対応だけでなく、製品の安全性を高めて企業の信頼を強固にするための重要な取り組みです。

確実な運用のために、まずは手洗いや服装、5S活動といった一般衛生管理を現場に定着させましょう。その上で、製品説明書や製造工程図を作成し、重要管理点を特定して継続的に監視・記録する体制を整えることが大切です。

日々の管理を効率化し、従業員の負担を軽減するためには、適切な設備の導入や正確な保守計画の運用が役立ちます。現場の課題に合わせた提案をいたしますので、衛生管理の体制構築にお悩みの際は、ぜひお気軽にカナデンまでご相談ください。

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